中森が打撃投手
前日の寒さから一転、26日のZOZOマリンスタジアムは快晴で、絶好の秋季練習日和となった。
投手陣のキャッチボールでは何かを試している投手が多く、小島和哉と東妻勇輔の2人は、キャッチボールが終わったあと身振り手振りを交えて会話。佐々木千隼も途中から小野郁を座らせて投げていた。
中森俊介は柿沼友哉、安田尚憲の打撃投手を務めた。福浦ヘッドコーチ兼打撃コーチと小野晋吾コーチが見守る中、中森は柿沼、安田ともに4打席ずつ投げ、3打席目まで振りかぶって投げ、4打席目はセットポジションからの投球。安田に右中間を破られるあたりもあったが、柿沼からは空振り三振を奪った。中森は打撃投手を終えた後、三木亮から「ナイスピー中森」と声をかけられ、その後、投球の振り返りだろうか、小野コーチと一塁ベンチ横で会話していた。
その他の野手は三塁と二塁ベース付近で、柿沼、安田の打球にあわせてスタートを切るなど、走塁練習を行った。
藤岡と加藤は全体練習後にロングティー
打撃練習では髙部瑛斗が右中間スタンドに飛び込む打球を放てば、安田は基本的にセンターから右方向中心も、時折センターから反対方向への当たりもあった。柿沼は大きなあたりを放つと、福浦コーチから「お〜カキ!いいぞ」と褒められていた。ショート、サードのポジションで打撃練習をグローブを持って見守っていた小坂コーチは、岡大海が放った三塁線の強烈なゴロを逆シングルでキャッチ。安田が三塁で打球捕をしているときには、小坂コーチが安田の後ろで動きをチェックした。
打撃練習が終わると、すぐに三塁ベンチ前でロングティー。福浦コーチから「反対方向に強く!」、「反対方向に引っ張れよ!」という檄が飛ぶなか、選手たちは必死にバットを振り続けた。
ロングティーの後は岡、藤岡裕大、髙部、安田の4人は特打。特打では股割りティー、トスしてもらったボールをネットに向かって真上に打つティー打撃、打撃練習(打撃投手が投げる球、ゆるいマシンの球)をローテーションで打った。髙部は打撃投手のときは反対方向への打球が多かった印象。安田は股割りティーのときにゴムチューブ(後ろにチューブを引っ張ってもらう支えがいる)を巻いて打っているときも。
特打が終了し、プレスルームに戻り今日の練習の内容をWordにまとめていると、誰もいないはずのグラウンドから「カーン」、「カーン」という打球音が。プレスルームからグラウンドを見ると、加藤と藤岡の2人が一塁ベース付近からレフト方向に向かってロングティーを行っていた。
カメラとノートを持って慌ててスタンドへ行くと、藤岡が「ヨーシッ」、加藤が「ウォー」と雄叫びをあげながら、スタッフがあげたボールをレフトスタンド方向に打ち、ボールケース2箱分打った。特にこの日の藤岡は特打も行っており、他の選手たちよりも多くバットを振り込んだ。
来季に向けて、いろんな想いを持って秋季練習に取り組む選手たち。来季の今頃は、ZOZOマリンスタジアムで日本一を目指して日本シリーズを戦っていると信じたい。
取材・文=岩下雄太