ニュース 2022.10.28. 06:44

球団初の快挙はならずも…解説陣が絶賛したヤクルト・山下輝の「冷静さ」

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ヤクルト・山下輝 (C) Kyodo News

シーズン登板2試合のルーキーを抜擢


 『SMBC日本シリーズ2022』は27日に京セラドーム大阪で第5戦が行われ、ヤクルトは4-6でサヨナラ負け。

 1点リードで9回を迎えるも、守護神のスコット・マクガフが誤算。ピンチで西野真弘のピッチャー強襲の当たりをなんとか一塁でアウトにしようとするも、送球が逸れてその間に同点の走者が生還。最後は相手の4番・吉田正尚に一発を食らい、3失点で逆転サヨナラ負けを喫した。




 最終的には痛い敗戦となったものの、内容を見ると収穫も多かったこの試合。中でも周囲を驚かせたのが、この大一番でルーキーの山下輝に先発のマウンドを託したことだろう。

 木更津総合高から法政大を経て、昨年のドラフト1位で入団した期待の大型左腕。しかし、ここまでの道のりは決して順風満帆ではなかった。

 大学に入学後、1年時にトミー・ジョン手術を受け、リーグ戦は3年春まで登板なし。先発としてアピールできるようになったのは4年になってからのこと。ドラフト前の最後の追い込みとなる重要な4年秋には、部内で新型コロナのクラスターが発生した影響から、リーグ戦の初戦がドラフト会議前日までズレ込むというアクシデントにも見舞われた。

 そんな苦境の連続を跳ねのけて、ドラフト会議では隅田知一郎(現・西武)の抽選を外したヤクルトと広島から指名を受け、抽選の末にヤクルトに入団が決定。ところが、今度は11月に左尺骨の疲労骨折が判明。その影響もあって1年目は慎重な歩みとなり、一軍デビューを果たしたのは9月下旬のことだった。

 プロ1年目は2試合の登板で1勝1敗。クライマックスシリーズでの登板機会もなかった中、3度目の一軍登板となったのが日本シリーズの舞台。走者を背負いながらも5回を3失点でまとめ、球団初となるルーキーの日本シリーズ白星にもあと一歩まで迫った。


 27日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説陣も、ルーキーの堂々たる投球を称えている。

 岩本勉氏は山下について「走者を抱えてもバタバタしないんですよね。“しのげる投手”だなと思いました」と印象を語り、「高津監督がこの大一番で先発マウンドを託すのも理解できました」と、その落ち着きぶりを賞賛した。

 また、同じく番組に出演した真中満氏も「度胸がありますし、ストライクゾーンで勝負ができる投手」と強みを挙げ、「日本シリーズとなると、どうしても慎重になってしまうので、良い投手でもボール先行になることが多い。その中で、この山下投手はまったく気にせずに、普段の自分のペースで投げていたなと思います」と、同じようにメンタル面の強さを強調。

 つづけて「ストライクゾーンの中でボールを動かしながら、三振は取れなくてもゴロの山を築いていくと。打たせて取ることに徹していた冷静さが素晴らしかったですね」と語り、今後の飛躍にも期待を寄せた。


☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2022』



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