ロッテ 髙部瑛斗

◆ 得点に繋がる犠打が多かったのは?

 ロッテは今季のチーム犠打がリーグ5位の94犠打だったが、昨季まで2年連続リーグトップの犠打数を記録するなど近年、攻撃において犠打は欠かせない。その一方で、SNSなどでファンから犠打が得点に結びついていないのではないかと指摘されることも多い。実際に今季は、犠打がどれだけ得点に結びついたのだろうか。

 調べてみると、今季94犠打中得点に繋がったのは48犠打。ちなみに昨季は106犠打中得点に繋がったのは48犠打と、数字だけ見れば昨季よりも得点に結びついている。今季得点につながる犠打が最も多かったのは、開幕前の取材で犠打について「(昨季までは)セーフティバントは得意でしたけど、バントは得意ではなかったですね」と話していた髙部瑛斗の15犠打。

 そのうち決勝点に繋がる犠打を3個決めている。7月20日の西武戦では2-3の5回無死一、二塁から西武先発・エンスが投じた初球のカットボールをピッチャー前に転がし、二、三塁とすると、続く中村奨が逆転の2点適時二塁打を放った。なお、この回先頭打者の松川虎生の左安、荻野貴司の左安、髙部の投犠、中村奨の2点適時二塁打まで全て初球攻撃。4球で逆転に成功した。

▼ 得点に繋がる犠打を決めた選手トップ3
1位 15犠打 髙部瑛斗
2位  8犠打 佐藤都志也
3位  6犠打 中村奨吾

◆ 送って“還す”ことが多かった打者は?

 一方、送りバントで得点圏に走者を進め、“還す”ことが多かったのは中村奨吾だ。

 中村奨は先程紹介した7月20日の西武戦をはじめ、8月2日の楽天戦では初回先頭の荻野が四球で出塁し、続く髙部が送って先制の2ランを放つなど、送りバントで走者を進めた場面で打席を迎えたときの中村奨の打点数は15。その内訳は、本塁打による打点が5、適時打が8打点、犠飛が1打点、内野ゴロが1打点だった。髙部の犠打から中村奨の一打で得点に繋がる機会が非常に多かった。

 つまり1番を打つ荻野の出塁も多かったと言えるだろう。犠打とは関係ないが、中村奨が今季打率.257ながらシーズン自己最多の68打点をマークできたのも1、2番の出塁の高さが要因の1つといえそうだ。

◆ スクイズで得点も

 また今季はスクイズで得点というシーンが何度かあった。5月13日のオリックス戦では、2-1の8回に先頭の髙部が四球で出塁し、続く中村奨の打席中に髙部が二塁盗塁を決め、中村奨がきっちり遊ゴロで三塁へ進めると、佐藤都志也が1ボール1ストライクからの3球目に一塁へスクイズを決めた。シーズン序盤、なかなか得点ができなかった中で、無安打で挙げた1点だった。

 7月2日の楽天戦では0-1の5回一死三塁の場面で、岡大海が1ボールからの2球目、外角のストレートに体を投げ出しバットに当てるバントで三塁走者の山口航輝が生還したこともあった。

 送りバントから得点という場面を振り返ったが、今季はバント失敗が昨季に比べて多かったことに加え、送っても得点に繋がらなかったケースが何度もあり、課題点が多かったのも事実。犠打に頼らず、打って繋いで得点できるのが一番良い。ただ送りバントから1本の安打で1点を奪う攻撃が、マリーンズの武器のひとつであることも忘れてはならないだろう。

文=岩下雄太

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この記事を書いたのは

岩下雄太

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