ブルペンを支えた剛腕
DeNAの2位躍進の原動力となった伊勢大夢が30日、契約更改交渉に臨み、年俸2760万円から大幅アップの9200万円でサインした。(金額は推定)
今季は絶対的なセットアッパーとしてリーグトップの71試合に登板し、42ホールドポイント、防御率1.72の好成績。「すごい評価していただいたことは嬉しい」としながらも「責任感も上がるので、来年以降責任を持ってマウンドへ上がりたい」と決意した。
「まさかここまで投げさせて頂き、まさかここまでの成績を残せるとは」と、3年目の飛躍には本人も驚き。長丁場を戦い抜き「1、2年目で経験させていただいたことを、やっとチームに恩返ししていけた」と満足感を漂わせた。
フル回転での疲労については「監督コーチに心配して頂きながら、3連投はあまりなく、連投の後は休みにして頂いたので、今は回復しつつあります」とタフネスぶりも健在。
飛躍の年となったが「最優秀中継ぎをあと一歩でつかめなかった。個人としては悔しいです。来年以降狙っていきたい」と野心も明かし、「自分でコントロールできるのは防御率。来年も1点台を目指してやっていきます。今年以上の数字を出して、ファンやチームに見せつけたい」と言い切った。
また、ストッパーの山﨑康晃の残留には「嬉しかったです。目標としている選手がいてくださる、まだ学べて、超えるチャンスもくださっている。ぜひいつか超えて見せたい」と目をギラつかせた。
「昨年ダントツの最下位からスタートして、チームとしても上を目指していこうという状態で2位に終わりましたけど、来年につながる2位にしていかなければいけないと、シーズン終わって全員が思っていることなので。(優勝は)98年から遠ざかっているんで、全員で取りに行きたい」と来季こそ栄冠を掴むと意気込んだ。
セットアッパーとして「抑えれば勝ちに近づく」とやりがいを感じていると明かした剛腕は「真っ直ぐを1段階、2段階上げて」と、さらなる高みを目指していく。
取材・文・写真=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)