「冗談抜きで本当に…」充実感語る
DeNAの大田泰示が2日、契約更改交渉に臨み、「しっかり力強く判子押しました」と笑顔。納得の現状維持で来季の契約を結んだ。
今季からDeNAに加入した大田は、62試合に出場し打率.278(144-40)、5本塁打、18打点、OPS.774をマーク。移籍1年目からベイスターズファンのハートを掴むような印象的な活躍もみせた。
交渉後の会見では、「(球団から)怪我して離れる時間が多かったですけど、色んなことに対して一年間よくやってくれたとのお言葉を頂いたので、僕自身嬉しかったし、来てよかったなと強く思った」と喜びを口にした。
日本ハムの一員として臨んだ昨季は打率.204と低迷し、大田本人が「クビと一緒」だと語る“ノンテンダー”で自由契約に。激動のオフシーズンを経てたどり着いたのがDeNAだった。
「移籍して1年目は大事だし、監督コーチの信頼を得るためにも、何が何でも結果を残せなきゃいけないところで、怪我が多かったところは自分の中で反省してます」としながらも、「監督が大事な場面で代打で送ってくれたり、スタメンで使ってくれたり、その中で自分が出せるパフォーマンスは少なからずできたかなと思う」と節目の今季を自己分析。
DeNAでは「野球をやる楽しさだったり勝ったときの喜びだったり、少年の心に戻ったような野球の楽しさ」を感じながらグラウンドに立っていたようで、「チームのため、応援してくれるファンのため、とはよく言われる言葉ですが、冗談抜きで本当にそう思えるようなシーズンだったと思います」と充実感を漂わせていた。
移籍2年目となる来季は「もっともっと信頼を得るために結果を出さないといけないと思いますし、そこにつながるのがリーグ優勝」と語り、「1本でも多くヒット、1本でも多くホームラン打って、とにかくチームが勝つ活躍をすればそれでいい。勝つ中で僕の存在意義があれば、そこに価値を見出していける。そこだけしか考えていないです」と栄冠を見据えた。
レギュラー奪取への意識は「もちろんあります。頭の中のど真ん中にありますし、今年も掴みに行くチャンスがあった中で、怪我をして戦列から離れてしまうところはあったので、まずそこが悔しい点であり反省点。まずは怪我をしないで、与えてもらったポジションで結果を残す。そこから監督コーチの信頼を得ていく。今までのベイスターズの基盤を少しずつこじ開けていければ」と闘志を燃やした。
プロ入り15年目のシーズンを控える今オフは、「身体の動かし方をイチから考え直すように、我流でやっていたところを専門的なところに入りながら。可動域も落ちていく年齢にもなっているので、(可動域を)広げながら鍛え直して、一年間怪我をしないコンディショニング作りをしていきたい」と、鍛え上げてきた身体と向き合う予定だ。
高校時代から慣れ親しみ、「不思議と背中を押してくれる」という横浜スタジアムでは、球場別打率で今季3割超えをマークし、お立ち台にも3回登壇と大活躍。来年はレギュラーポジションをつかみ取り、「横浜最高!」の名ゼリフを何度も轟かせてみせる。
写真・取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)