ソフトバンクが25日、ロベルト・オスナ投手の獲得を発表し、これで来季はロッテでプレーしないことが正式に決まった。ロッテ側から見れば、メジャー通算155セーブを挙げたオスナがシーズン途中に加入し、夏場以降は益田直也に代わって抑えを務めるなど、必要な戦力だっただけに退団は間違いなく痛い。抑えは勝利に直結する非常に重要なポジション。簡単にオスナの穴を埋めることはできないが、幸いにも今季途中まで抑えを務めていた益田がいる。
今季はシーズン途中にオスナに守護神を奪われる形になってしまったが、2020年から2年連続30セーブ以上を挙げ、昨季はリーグ最多の38セーブをマーク。2年連続2位入りの立役者となった。今季は不本意なシーズンとなったが、昨季は東京五輪が行われた関係で中断期間があり、2年連続で11月まで戦い、オフの期間が短かった。毎年50試合以上投げており、蓄積疲労もあったのだろう。
益田の今季を振り返ると、開幕から不安定な投球が目立ち、4月23日のオリックス戦から4試合連続で失点。3・4月の月間防御率は1.80だったが、5月が3.60、6月が3.00、7月が4.50、8月が4.50、9月が3.00と5月以降は防御率1点台という月が1度もなかった。8月19日の楽天戦では連投やベンチ外ではないなか、今季初めてセーブシチュエーションの6-5の9回に登板せず。オスナがマウンドに上がり、チームは勝利。益田は翌20日に井口前監督体制では初めて一軍登録抹消となり、9月2日に再昇格したが抑えではなくビハインドゲームでのリリーフを務めシーズンを終えた。
今季は10月2日のソフトバンク戦でシーズンを終え、新型コロナウイルスが流行する前の2019年以来となる長いシーズンオフとなっている。久しぶりに長いオフとなり、例年に比べて時間をかけて調整できるのではないだろうか。実績はあり、来季は昨季までの状態に戻る可能性は十分にありえる。そうなれば“抑え”の経験もあり、その厳しさをチームの中で誰よりも知る益田が“守護神”筆頭候補になるだろう。
年齢でプレーするわけではないが、来年の10月で益田が34歳ということを考えれば、若い抑え候補が出てきて欲しいのも事実。今季40試合以上登板した投手は4人いるがそのうち3人(東條大樹、益田、ゲレーロ)が30代。20代で40試合以上登板したのは小野郁しかいない。30試合以上と幅を広げても、廣畑敦也と小野の2人だけ。抑えに限らず、若手リリーフ陣の台頭も必要になっている。
小野はロッテ移籍後20年から3年連続で40試合以上に登板し、今季44試合に登板し防御率1.99と安定した投球を見せ、若手リリーフ陣の中では、一番実績がある。ただ主にビハインドゲームや勝ち試合の6回、東條大樹が連投中だった時の勝ち試合の7回に登板と、勝ち試合の8回、9回の経験が少ない。
こうしてみると、抑え候補の人材が少ない。オスナに代わる守護神候補の新外国人を新たに補強するのかーー。益田が抑えに復帰するのかーー。それとも、練習試合、オープン戦で結果を残した若手が抑えに抜擢されるのかーー。近年は栗林良吏(広島)、大勢(巨人)といきなり新人が抑えを務めるケースも増えてきている。
今季は抑えだけでなく、“勝利の方程式”を最後まで固めることができなかったことも忘れてはならない。今季不振に終わった投手の巻き返しや若手の台頭が求められる。オスナの移籍をチャンスと捉え、抑えのポジションを奪いにいく気合いの入った選手が一人でも多く出てくること、来季は今年以上にリリーフの競争が熾烈になっていくことを強く願う。
文=岩下雄太
今季はシーズン途中にオスナに守護神を奪われる形になってしまったが、2020年から2年連続30セーブ以上を挙げ、昨季はリーグ最多の38セーブをマーク。2年連続2位入りの立役者となった。今季は不本意なシーズンとなったが、昨季は東京五輪が行われた関係で中断期間があり、2年連続で11月まで戦い、オフの期間が短かった。毎年50試合以上投げており、蓄積疲労もあったのだろう。
益田の今季を振り返ると、開幕から不安定な投球が目立ち、4月23日のオリックス戦から4試合連続で失点。3・4月の月間防御率は1.80だったが、5月が3.60、6月が3.00、7月が4.50、8月が4.50、9月が3.00と5月以降は防御率1点台という月が1度もなかった。8月19日の楽天戦では連投やベンチ外ではないなか、今季初めてセーブシチュエーションの6-5の9回に登板せず。オスナがマウンドに上がり、チームは勝利。益田は翌20日に井口前監督体制では初めて一軍登録抹消となり、9月2日に再昇格したが抑えではなくビハインドゲームでのリリーフを務めシーズンを終えた。
今季は10月2日のソフトバンク戦でシーズンを終え、新型コロナウイルスが流行する前の2019年以来となる長いシーズンオフとなっている。久しぶりに長いオフとなり、例年に比べて時間をかけて調整できるのではないだろうか。実績はあり、来季は昨季までの状態に戻る可能性は十分にありえる。そうなれば“抑え”の経験もあり、その厳しさをチームの中で誰よりも知る益田が“守護神”筆頭候補になるだろう。
年齢でプレーするわけではないが、来年の10月で益田が34歳ということを考えれば、若い抑え候補が出てきて欲しいのも事実。今季40試合以上登板した投手は4人いるがそのうち3人(東條大樹、益田、ゲレーロ)が30代。20代で40試合以上登板したのは小野郁しかいない。30試合以上と幅を広げても、廣畑敦也と小野の2人だけ。抑えに限らず、若手リリーフ陣の台頭も必要になっている。
小野はロッテ移籍後20年から3年連続で40試合以上に登板し、今季44試合に登板し防御率1.99と安定した投球を見せ、若手リリーフ陣の中では、一番実績がある。ただ主にビハインドゲームや勝ち試合の6回、東條大樹が連投中だった時の勝ち試合の7回に登板と、勝ち試合の8回、9回の経験が少ない。
こうしてみると、抑え候補の人材が少ない。オスナに代わる守護神候補の新外国人を新たに補強するのかーー。益田が抑えに復帰するのかーー。それとも、練習試合、オープン戦で結果を残した若手が抑えに抜擢されるのかーー。近年は栗林良吏(広島)、大勢(巨人)といきなり新人が抑えを務めるケースも増えてきている。
今季は抑えだけでなく、“勝利の方程式”を最後まで固めることができなかったことも忘れてはならない。今季不振に終わった投手の巻き返しや若手の台頭が求められる。オスナの移籍をチャンスと捉え、抑えのポジションを奪いにいく気合いの入った選手が一人でも多く出てくること、来季は今年以上にリリーフの競争が熾烈になっていくことを強く願う。
文=岩下雄太