ニュース 2022.12.29. 10:30

データで振り返るロッテ・佐々木朗希の173奪三振

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ロッテ・佐々木朗希 (C) Kyodo News
 ロッテの佐々木朗希はプロ3年目の今季、規定投球回に届かなかったものの、20試合・129回1/3を投げて9勝4敗、防御率2.02、リーグ2位の173奪三振をマークした。本拠地・ZOZOマリンスタジアムでの登板で三振を奪うと、“K”ボードが掲げられ、マリーンズファンは佐々木朗希のスピードボール、そして奪三振にワクワクした。

 20歳5ヶ月と史上最年少で完全試合を達成した4月10日のオリックス戦では、1回裏二死走者なしの吉田正尚から5回3アウト目の西村凌にかけてNPB新記録となる13者連続奪三振、95年4月21日のオリックス・野田浩司(対ロッテ[千葉マリンスタジアム])に並ぶ1試合最多となる19奪三振を挙げた。

 今季の佐々木朗希は173奪三振のうちフォークでの奪三振が106(空振り:98個、見逃し:8個)、ストレートが57(空振り:32個、見逃し:25個)、スライダーが9(空振り:7個、見逃し:2個)、縦スライダーが1(空振り:1個、見逃し:0個)。

 ちなみに昨季は68奪三振奪ったが、フォークが36(空振り:29個、見逃し:7個)、ストレートが23(空振り:11個、見逃し:12個)、スライダーが8(空振り:6個、見逃し:2個)、縦スライダーが1(空振り:1個、見逃し:0個)。

 今季はストレートでの空振り三振を奪う割合が増えた。8月10日のソフトバンク戦では、1試合に10個の三振を奪ったが、そのうち5奪三振が空振りのストレート。それも、試合の序盤ではなく、試合中盤以降に奪ったものだ。昨季はストレートで空振り三振を奪った11個のうち7個が3回までだったことを考えると、今季は試合中盤以降でもストレートで空振り三振を多く奪えたのは大きな進化といえる。

【ストレートでのイニング別空振り三振】
21年 1回:4個、2回:3個、3回:0個、4回:1個、5回:2個、6回:2個
22年 1回:4個、2回:4個、3回:8個、4回:2個、5回:4個、6回:6個、7回:2個、8回:2個、9回:0個

 また少ない球数で三振を奪うことが多く、173奪三振中141奪三振が5球目以内。3球三振は36度あった。NPB新記録となる13者連続三振目となる西村から奪った三振、NPBタイ記録となる1試合19奪三振目となる杉本裕太郎から奪った空振り三振は3球三振。5月20日のソフトバンク戦の4-0の3回一死走者なしで、甲斐拓也に対して初球161キロのストレートで見逃しストライク、2球目の162キロストレートで空振り、3球目の164キロストレートで見逃し三振と、3球オール160キロ超えで3球三振を奪ったこともあった。

 打者別ではソフトバンクの牧原大成に対し、今季最多の7個の三振を奪った。7奪三振のうち6個が空振り三振で、3球三振も3回。ただ牧原との今季対戦打率は.300(10-3)だった。

 今季はシーズン序盤は三振の山を築いたが、夏場以降は少ない球数で打者を抑えていく投球が目立った。ただ、三振で欲しいところで三振が取れるのは大きな武器。来季は規定投球回に到達し、チームに勝利を数多くもたらすと共に、奪三振数も200を超えていって欲しいところだ。

▼ 佐々木朗希と奪三振
【奪三振内訳】
※筆者調べ。ZOZOマリンスタジアムでの風が強い登板時は判別が難しくストライクゾーンのフォークがスライダー、スライダーがストライクゾーンのフォーク、フォークが縦スライダーの可能性あり
フォーク:106個(空振り:98個、見逃し:8個)
ストレート:57個(空振り:32個、見逃し:25個)
スライダー:9個(空振り:7個、見逃し:2個)
縦スライダー:1個(空振り:1個、見逃し:0個)

【球種別奪三振時の最速】
※筆者調べ。ZOZOマリンスタジアムでの風が強い登板時は判別が難しくストライクゾーンのフォークがスライダー、スライダーがストライクゾーンのフォーク、フォークが縦スライダーの可能性あり
ストレート:164キロ
・4月10日vsオリックス 1-0の3回二死走者なし、宜保翔に対して1ボール2ストライクからの4球目空振
・5月6日vsソフトバンク 0-0の2回一死走者なし、上林誠知に対して0ボール2ストライクからの3球目の空振り
・5月20日vsソフトバンク 2-0の1回二死走者なし、柳田悠岐に対して1ボール2ストライクからの4球目の空振り
・5月20日vsソフトバンク 4-0の3回一死走者なし、甲斐拓也に対して0ボール2ストライクからの3球目の見逃し
・5月20日vsソフトバンク 4-0の3回二死走者なし、三森大貴に対して1ボール2ストライクからの4球目の空振り

フォーク:150キロ
・5月20日vsソフトバンク 4-0の4回一死走者なし、柳田悠岐に対して1ボール2ストライクからの4球目の空振り

スライダー:149キロ
・3月27日vs楽天 0-0の1回二死走者なし、浅村栄斗に対して1ボール2ストライクからの4球目の見逃し

縦スライダー:145キロ
・7月1日vs楽天 0-0の1回一死一塁で浅村栄斗に対して1ボール2ストライクからの4球目の空振り

【三振に要した球数】
3球:36個
4球:59個
5球:46個
6球:16個
7球:10個
8球:5個
9球:1個

【イニング】
1回:28個(空振り:21個、見逃し:7個)
2回:25個(空振り:24個、見逃し:1個)
3回:29個(空振り:22個、見逃し:7個)
4回:29個(空振り:23個、見逃し:6個)
5回:26個(空振り:17個、見逃し:9個)
6回:16個(空振り:14個、見逃し:2個)
7回:9個(空振り:7個、見逃し:2個)
8回:10個(空振り:9個、見逃し:1個)
9回:1個(空振り:1個、見逃し:0個)

【アウトカウント】
無死:49個(空振り:38個、見逃し:11個)
一死:60個(空振り:49個、見逃し:11個)
二死:64個(空振り:51個、見逃し:13個)

【走者状況】
走者なし:125個(空振り:96個、見逃し:29個)
一塁:15個(空振り:12個、見逃し:3個)
一、二塁:6個(空振り:5個、見逃し:1個)
一、三塁:0個(空振り:0個、見逃し:0個)
二塁:16個(空振り:14個、見逃し:2個)
二、三塁:6個(空振り:6個、見逃し:0個)
三塁:5個(空振り:5個、見逃し:0個)
満塁:0個(空振り:0個、見逃し:0個)

【チーム別】
楽天 39個(5試合・28回1/3)
オリックス 39個(4試合・30回)
ソフトバンク35個(4試合・24回)
西武 22個(2試合・15回)
日本ハム 20個(2試合・13回)
阪神 7個(1試合・6回)
巨人 6個(1試合・5回)
DeNA 5個(1試合・8回)

【vs打者】
▼ 三振を奪った選手
1位 7個 牧原大成(ソフトバンク)
2位 6個 浅村栄斗(楽天)
3位 5個 柳田悠岐(ソフトバンク)、オグレディ(西武)、小深田大翔(楽天)、島内宏明(楽天)

▼ 見逃し三振を奪った選手
1位 2個 甲斐拓也(ソフトバンク)、オグレディ(西武)、浅村栄斗(楽天)、銀次(楽天)、島内宏明(楽天)

▼ 空振り三振を奪った選手
1位 6個 牧原大成(ソフトバンク)
2位 4個 福田周平(オリックス)、柳田悠岐(ソフトバンク)、浅村栄斗(楽天)、小深田大翔(楽天)

文=岩下雄太

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