同期との“再会”が陽川の原動力に (C) Kyodo News

◆ 今年も慣れ親しんだ場所で始動

 いつ来ても素晴らしい環境だと感じる。

 和歌山県上富田町にある「上富田スポーツセンター」。過去にはウエスタン・リーグの公式戦も毎年開催されていた野球場を拠点に8年連続で始動したのは、“ライオンズの陽川尚将”だ。

 まだ「西武の……」という肩書きに違和感があるのは、筆者だけではなかった。

 現役のプロ野球選手は陽川ひとりでも、練習をサポートするのは同級生や大学時代の先輩・後輩、そして旧知のトレーナーやインストラクターたち。アップ中も「“西武・陽川”はまだ違和感あるなぁ」と声が飛んだ。

 それでも、最後にはみんなが口を揃える。「間違いなくチャンスやもんな。移籍して良かったやん」。本人も心機一転の思いは一層、強い。

 「球団も変わって、一からのスタートなんで。変な言い方かもしれないですけどルーキー、それぐらいの心持ちでいます」

 昨年12月に史上初めて実施された現役ドラフトで、タイガースからの移籍が決まった。

 9年間プレーしてきた古巣を離れることもあり、当初は戸惑いのほうが大きかったというが、日を追うごとに目の前にあるチャンスの大きさも実感してきた。

 「言われたところを守るだけですし、どちらも準備しています」と語る一方、「どちらかと言えば外野のほうがチャンスはあるのかなと思っています」と鼻息は荒い。

◆ 「あの3人がいたから自分も頑張ってこれた」

 当然ながら不安もある。

 「セ・リーグとパ・リーグの野球は違うと思うし、どういう風に違うのか。そのあたりがどうなるのかなと」

 そこで頼りにするのは、同世代でライオンズの中軸を張る山川穂高だ。

 大学時代から面識があるといい、「気を遣わないので分からないことがあれば聞いていきたい。同じ右バッターであれだけの成績を残していますし、勉強にもなる」と右の長距離砲としても重なるだけに、心強い存在と言える。

 「キャンプの初日からアピールしないといけないので」

 今年で31歳でも“ルーキー”の心構えで2月から始まる競争に闘志を高める。だからこそ「こんな素晴らしい環境で、場所を変える理由がない」とタイガース時代から慣れ親しんだ和歌山で動き始め、万全の準備を整えている。

 昨年は前半で出遅れたものの、後半は代打で結果を残して45試合で打率.294。キャンプからスタートダッシュをかけるため、例年よりハイペースでハードなメニューをトレーナーに依頼して体をいじめ抜いている。

 今季の交流戦開幕カードは奇しくも、タイガースとの3連戦。同期入団の岩貞祐太や梅野隆太郎、岩崎優はいずれもチームの主力に成長し、“再会”をモチベーションにもしている。

 「あの3人がいたから自分も頑張ってこれたと思っているし、負けないように1年でも長く現役でプレーしたい」

 期待と不安、戦友たちの存在も力に新天地で暴れる。

文=チャリコ遠藤(スポーツニッポン・タイガース担当)

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チャリコ遠藤

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