ニュース 2023.02.21. 09:04

打って、走って、守る ロッテに欠かせない存在の荻野貴司「自分の力を出せるように」

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ロッテの荻野貴司(撮影=岩下雄太)

衰え知らずの37歳


 37歳という年齢を全く感じさせない動きで、今なおマリーンズ打線に欠かせない存在のロッテ・荻野貴司。

 21年に自身初となる盗塁王、最多安打のタイトルを獲得し、19年以来のゴールデン・グラブ賞を受賞した。昨季は出遅れたが5月27日に昇格すると、89試合に出場して、規定打席に届かなかったが打率.310、5本塁打、27打点、15盗塁、そして得点圏打率は.340。1番打者としてチャンスメーカーとしての役割だけでなく、時にポイントゲッターとして勝負強さを発揮した。

 昨季は記録ラッシュの1年でもあった。7月17日のソフトバンク戦で通算250盗塁、8月10日のソフトバンク戦で通算1000安打、9月7日の西武戦で通算1000試合出場を達成した。


23年シーズンに向けて


 23年に向けてシーズンオフの自主トレは「まずは怪我をしない体づくりと、特に去年と変わらず、一緒のことをやってきた感じです」とのこと。

 現在37歳の荻野は、若い頃に比べて練習量に変化はあるのだろうかーー。

 「全体的には練習量が減ってきた感じはしますけど、その分質のいい練習をしたいと思っています」。

 荻野といえば、1月の自主トレでは反応の練習のひとつとして、一塁ベースの後ろに立つスタッフが手を叩く音にあわせて走ることもあれば、投手役に牽制などを入れてもらい実戦を想定した走塁練習も繰り返し行ってきた。22年シーズンに向けての自主トレでは、膝の調子があまりよくなかったため、自主トレ期間で行ってきた練習を春季キャンプ中に行った。

 そして今オフは反応練習を始めとした走塁練習は21年以前のように行ってきたのだろうかーー。2月10日の取材で荻野は「これからちょっとずつやっていこうかなと思っています」と、第3クール以降に力を入れていくことを明かした。現在行われている石垣島春季キャンプで、今季に向けた個人の走塁の準備を着々と進めているのだろう。今季も先頭に立って“1つ先の塁を狙った走塁”、“盗塁”に注目だ。


まだまだ若手にレギュラーを譲らん!


 外野のレギュラー争いに目を向けると、髙部瑛斗がレギュラーに定着し、今季30本塁打を目標に掲げ練習試合から本塁打を量産している山口航輝、勝負の5年目に向けて虎視眈々とレギュラーの座を狙っている藤原恭大、高卒3年目の西川僚祐と山本大斗、さらには角中勝也、岡大海、和田康士朗など、外野を巡る競争は熾烈。

 特に若手選手たちは年々力をつけてきており、競争のレベルがここ数年でグンと上がった印象だ。

 「全員がライバルなので、自分の体調を整えてしっかり自分の力を出せるように準備したいなと思います」。

 若手が成長しているが、まだまだレギュラーを譲るつもりはない。マリーンズファンも荻野貴司が元気に打って、走って、守るところを見たいはずだ。

取材・文=岩下雄太

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