ニュース 2023.03.02. 17:35

侍ジャパン「緊急招集」の牧原大成が「キングジョーカー」と呼ばれるのはなぜか

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【ソフトバンク契約更改】ジョーカー卒業だ。ジョーカーのボードを破るソフトバンク・牧原大成=2022年12月23日 ペイペイドーム 写真提供:産経新聞社
話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。今回はWBCに挑む日本代表「侍ジャパン」に追加招集された、ソフトバンク・牧原大成にまつわるエピソードを取り上げる。

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『誠也の代わりは日本にいないので、誰が加われば一番勝ちやすい形になるかを考えました。すべての面で信頼しています。後(途中投入)からでも先(先発)でも、どこからでも行ける。チームを動かそうとした時に絶対的な切り札になる』

~野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト(2023年3月1日配信記事 より)

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侍ジャパン・栗山英樹監督が「絶対的な切り札になる」と語ったのは、ソフトバンクの牧原大成。左脇腹の張りで無念の出場辞退となったカブス・鈴木誠也に代わって日本代表に緊急招集された30歳だ。

2010年ドラフトで、ソフトバンクから育成5位指名を受けてプロ入り。余談だが、この2010年のソフトバンク指名は、「史上最高の育成ドラフト」としてあまりにも有名。育成6位には同じ侍ジャパンの甲斐拓也、育成4位は2017年WBC代表で今季からメッツでプレーする千賀滉大。同じ年の育成枠から3人も支配下登録を勝ち取るだけでもすごいのに、その3人が日本代表を経験するという結果に。2017年育成2位から今回の侍ジャパンに選出された周東佑京も含め、改めてソフトバンクの育成力には唸るばかりだ。

話を牧原に戻せば、昨季(2022年)はキャリアハイの120試合出場。規定打席にわずか「2打席」足りないながらも打率.301と大きく飛躍を遂げた1年となった。

そんな牧原を誰よりも認めているのは、昨季、レギュラークラスに抜擢したソフトバンクの藤本博史監督だろう。奇しくも、栗山監督が発した「絶対的な切り札」と同じような意味で、牧原を「キングジョーカー」と評したことがある。

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『牧原はキングのジョーカーなんです。代打のいいところで使えるしスタメンもいける。牧原がスタメンなら代打が薄くなる。そういう意味で牧原は本当に貴重。本当にここ一番に置いておきたい』

~『スポニチアネックス』2022年5月8日配信記事 より

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そして今回、「鷹のキングジョーカー」から「侍のキングジョーカー」へ。その「ジョーカー」たる所以は、どのポジションでも高い守備力を発揮できること。ソフトバンクでも招集された日本代表でも「内野手登録」の牧原だが、昨季はセカンド、サード、ショート、そしてセンターのポジションでプレー。なかでも、センターでの出場機会がもっとも多かった。

本人もセンターでの守備に手応えがあるのか、今季は「センター1本でプレーしたい」と宣言。2月25日、26日に行われた侍ジャパンとの強化試合では、ソフトバンクの「1番・センター」で2試合とも先発出場し、2試合で6打数2安打。守っても左中間に抜けそうな打球をダイビングキャッチするファインプレーを見せていた。

当初、代替選手には阪神の近本光司や広島の西川龍馬らの名前が挙がっていたわけだが、栗山監督の目の前でアピールしたことが決め手となった可能性は十分にある。ただ、選ばれた牧原本人は、謙遜も含めてなのか、こんな言葉を残している。

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『正直、侍ジャパンに選ばれるっていうこと自体、思っていなかったのですごい不思議な気持ちです。自分でも正直、なんで自分が選ばれたんだろうっていうのはあんまり分からないんで、行ったら聞いてみようかなと思います』

『代わりになれるわけでもないと自分で思ってるので、鈴木選手の代わりになるっていうよりは、自分のやるべきことをしっかり考えながらやりたいなと思っています』

~『Full-Count』2023年3月1日配信記事 より

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「不思議な気持ち」「なんで自分が」という言葉からは、まさかの招集だったことが存分に伝わってくる。その一方で、牧原を代表に呼ぶべき、という待望論はもともと識者の間でも語られていた。その1人がニッポン放送ショウアップナイター解説者の谷繁元信氏だ。

今年(2023年)1月、中日時代の同僚・川上憲伸氏のYouTube「カットボールチャンネル」に出演した際、誰を代表に選ぶべきかというテーマでこんな「牧原推し」コメントを残していた。

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『一推しサブは、ソフトバンクの牧原。内・外野全部守れるし、足もあるし、パンチ力あるし、バッティングもしぶといし。俺は牧原推しなんだ』

~『川上憲伸カットボールチャンネル』2023年1月7日公開動画 より

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球史に残る名キャッチャーにここまで言わせるのだから、それだけでも牧原のよさが伝わってくる。

キャッチャーと言えば、牧原は高校時代に捕手経験もあるというから驚かされる。ソフトバンクでも2019年、実際にマスクを被ることはなかったものの、選手登録に限りのあるクライマックスシリーズでの有事に備えて、レガースとプロテクターを着用し、キャッチャーの守備練習に汗を流したことも。その際、ソフトバンクの吉鶴憲治バッテリーコーチ(当時)は「キャッチャー牧原」について、こんな高評価を残している。

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『動きは問題ないしスローイングもいい。本当は出番がない方がいいんだろうけど、見てみたいところもある』

~『西日本スポーツ』2019年9月28日配信記事 より

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まさに、究極のユーティリティプレーヤー。本来、こうした選手こそ初めから代表にいてもおかしくない存在だったと言える。

大谷翔平、ラーズ・ヌートバーのメジャー組もついに日本に到着し、いよいよWBC本番へ。改めて、戦いに挑む侍たちの活躍に期待したい。

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