予定通りの50球…栗山監督「心配していない」
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する野球日本代表「侍ジャパン」のダルビッシュ有投手(MLBパドレス)が2日、バンテリンドームで行われた中日との合同練習で、中日の打者を相手にしたライブBP(3イニング想定)に登板した。
開始早々に先頭の岡林勇希に死球を与えるアクシデントもあり、1イニング目は打者5人に対し2四死球2安打2失点。ダヤン・ビシエドとアリスティデス・アキーノに2者連続で左前適時打を許すなど精彩を欠いた。
それでも2イニング目、3イニング目と尻上がりの投球内容で、打者12人に50球、3安打2四死球1三振の内容。ボールを操りきれずに時折マウンド上で「あぁ」と天を仰ぐ姿もあったが、最終打者にはオフシーズンから積極的に練習していた「良いスプリットを投げられた」と納得の奪三振で締めくくった。
練習後、メディアの取材に応じたダルビッシュは「初回にいきなり岡林選手にデッドボールを当ててしまって…自分も対戦を楽しみにしていた選手だった。中日さんの今後の状況を考えると動揺してしまって、そこから右打者にもインコースにいけなかったりもありましたけど、徐々に感覚は出てきたと思います」と、この日の投球を振り返った。
WBC初戦が1週間後に迫るなか万全の投球とはいかなかったものの、例年ならオープン戦の時期ということもあり、「コンディションとしてはそこまで上がってきている感じではない。3月の頭なのでこんなもんじゃないか」とダルビッシュ本人は淡々。
「最後の回あたりは真っすぐが指についてきた感じもありましたし、右打者に良いカーブも投げられましたし、最後の方はスライダーに依存しないで投げられたのが良かった」と収穫も口にした。
ベンチで投球を見守った栗山英樹監督もダルビッシュ同様、岡林への死球が直後の不安定な投球に繋がったとの見解を示し、「最初の回に関しては本人もそういう感じに見えたので、優しさを持つダルビッシュ投手らしいところ。ただ、その後の投げ方を見ていて、前に進んでくれている感じはある。そこは心配していない」と話した。
侍ジャパンは3日と4日に『カーネクスト侍ジャパンシリーズ2023名古屋』中日2連戦を戦った後、大阪に移動して6日に阪神、7日にオリックスと対戦。計4試合の壮行試合を経て、9日にWBC初戦・中国戦を迎える。