意識するところを見直す
ロッテの森遼大朗は今季実戦初登板となった2月12日の楽天モンキーズ戦に先発するも、3回・46球を投げ、5被安打、1奪三振、2失点といまひとつの投球内容だった。2月14日以降の沖縄遠征に帯同せず、引き続き石垣島で春季キャンプを過ごしていた。
宮崎遠征から一軍に合流すると、3月1日のソフトバンクとの練習試合で、3回・35球、被安打0、3奪三振、無失点、素人目に見ても投げているボールが楽天モンキーズ戦とは違い力強さを感じた。さらに7日の日本ハムとのオープン戦でも4回・58球を投げ、被安打0、3奪三振、無失点に抑えた。NPBとの一軍の実戦では2試合・7回・被安打0、自責点0だ。
楽天モンキーズとの国際交流試合後、石垣島の春季キャンプで調整や考え方を含め、何か変えたことがあったのだろうかーー。
「調整というか、意識するところをちょっと考え直したところがあります」。
具体的には「(楽天モンキーズ戦は)初めての実戦だったので、ちょっと投げることにいっぱいいっぱいでした。投げ終わってからそういう印象があったので、もうちょっとバッターとかに意識を向けて、勝負していくことを意識して、考え直していこうとしました」と明かした。
“意識”を変えたことが、好投に繋がっている。
森の生命線
森の武器は右打者、左打者にインコースにきっちりと投げ込めること。3月1日のソフトバンクとの練習試合では、3-0の5回無死走者なしで先頭のホーキンスを1ボール2ストライクから、144キロインコースの球で見逃し三振に仕留めた。打者のホーキンスが思わず腰が引けるほどの威力のあるボールだった。7日の日本ハムとのオープン戦では、2-0の4回二死走者なしで清宮幸太郎を3ボール2ストライクから、144キロのインコースストレートでバットをへし折る一塁ゴロに打ち取った。
右打者に対してはインコースのシュートが効いている。「詰まらせたりもできている。いい感じでいけているかなと思います」と手応えを掴む。
これまでも右打者へのインコースにガンガン攻め込んでいたが、昨年の6月頃から左打者に対してもインコースにしっかりと投げる場面が増えた印象。森本人は「自分はインコースを使っていかないと苦しい。右、左関係なくという感じでやっています」とのこと。
昨年から見ているとインコースに投げ切れる時、追い込んでからしっかりフォークが決まっている時は抑えられている。「そこが自分の生命線だったりするので、そこが良ければ結果もついてきている気がします」。
3月に入ってからの実戦では自身の武器を存分に発揮し、開幕先発ローテーション入りへアピールを続けている。「とにかく結果を残していい印象を与え続けることだけと思います」と力強く意気込む。オープン戦も残すところ1週間。限られた機会で、しっかりと結果を残したい。
取材・文=岩下雄太