オープン戦に出場
「マリンでやるのが初めてなので、広いですし、一軍の選手と混ざってやっているので少し緊張はありました。みんな優しく話しかけてくれました。そこはいい感じでできています」。
ロッテのドラフト5位・金田優太(浦和学院高)は19日に一軍合流し、同日に行われた西武とのオープン戦に『7番・遊撃』でZOZOマリンスタジアム&一軍のオープン戦に初めて出場した。
「まだファームのピッチャーしか見ていないので、今日本当に一軍のトップクラスの投手が投げると聞いている。初めて投げる球ですけど、やってきたことをやるだけかなと思います」と試合前練習後の取材でこのように話していたが、昨季10勝を挙げたエンス、昨季最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得し今季から先発に転向する平良海馬を前に3打数0安打。オープン戦初“安打”とはならなかったが、第1打席から捉えた当たりを放っていた。
教育リーグで打率.370
金田は2月12日の楽天モンキーズとの国際交流試合でレフトへ犠牲フライを放ちプロ入り後初めて実戦で打点をマークし、2月14日以降は石垣島で春季キャンプを送った。3月上旬に行われた春季教育リーグでは、「積極的に振ることをチームのテーマでやっていたので、本当に初球からガンガンいきますし、バッティングカウントになったらなおさら思いっきりいくようにしていました。まだうまく打つとかそういうのではないですけど、狙い球をしっかり振るというのをやっています」ということをテーマに打席に入った。
5日の日本ハム戦に『3番・遊撃』でスタメン出場すると2安打1打点、14日のヤクルト戦では適時打を含む2安打、15日の西武戦でも3安打1打点の大暴れ。教育リーグは6試合に出場して打率.370(27-10)、4打点、ファームでの結果とはいえ、とても高卒新人とは思えない程の打撃力を見せた。
「シングルヒットが今のところ多いんですけど、ミート力というのは高校の時から自分の武器だと思っている。そこにもっとパワーがついて打球が飛んでくれたらもっといいなと思います」。
課題も
プロの投手と対戦する中で、「チェンジアップ、フォークといった落ち球は高校の時と全然違うなと思いました」と、課題も出てきた。
「守備でも今までは土でやっていたので、ある程度ごまかしがきくんですけど、今日マリンでノックを受けて打球も速いですし、芝なので足をしっかり使わないといけないなというのが、この午前中だけでも課題だなと思いました」。19日の西武とのオープン戦の3回には、鈴木将平が放った三遊間の当たりを弾いてしまい内野安打を許すという場面も。プロの打者の打球に慣れていく必要がありそうだ。
自身の課題点を客観的に分析し、そこを練習や実戦で克服してくるはず。そう思わせるほど、この日の一軍の試合前練習から浮き足だった様子が全くなく、取材の時も落ち着いた雰囲気で自分の言葉で話していた。一軍のオープン戦でも、教育リーグの時にテーマにおいていた“積極的に振る”ことができていた。
「全然まだ力がないので、とりあえず全力でやるだけ。実戦では形を気にせずやっていって、あとは練習でレベルアップしていきたいと思います」。2月に18歳になったばかりの高卒ルーキーが、この先どのような成長曲線を描いていくのか今から楽しみだ。
取材・文=岩下雄太