助っ人ピッチャーの奮闘で3連勝
DeNAは8日、本拠地での中日戦に3-1で勝利。4月5日の今季初勝利から3連勝とした。
この日は来日2年目右腕のロバート・ガゼルマンが今季2度目の先発登板。4回まで中日打線をゼロで抑えるも、味方の援護もないまま迎えた5回表に龍空にソロを被弾。均衡を破られてしまう。
それでも直後の攻撃で、好調の関根大気の内野安打と好走塁で二死ながら三塁のチャンスをつくると、9番のガゼルマンが涌井秀章のスライダーに上手くバットを合わせ、右中間突破の適時二塁打。自ら試合を振り出しに戻してみせた。
さらに6回には宮﨑敏郎がレフトスタンドの最上段に叩き込むソロを放ち、これで2-1。逆転に成功し、7回表のマウンドにもガゼルマンが向かった。
ところが、いきなり先頭打者に四球を与え、犠打で一死二塁となったところでベンチは交代を決断。後を受けたエドウィン・エスコバーは気持ちのこもった剛球を投げ込み、前の打席で本塁打を放った龍空は一ゴロ、涌井の代打・加藤翔平は155キロの速球で空振り三振に仕留め、このピンチを脱出。ガゼルマンの勝利の権利を死守した。
その後は8回裏に1点を加え、守っても伊勢大夢から山﨑康晃へと繋ぐ盤石のリレーで逃げ切り成功。3-1で逆転勝利を収め、チームの連勝を3に伸ばした。
指揮官も高評価「良さを出してくれた」
試合後、ガゼルマンは「まずは1勝できたことは非常に嬉しい」と第一声。7回途中降板となったが、「なるべく投げきりたいというのはあるが、あのシチュエーションでは致し方ない部分もある」とし、「ただ自分がやりたい方向に投球できたことは良かった」とピッチングを総括した。
ピンチを切り抜けたエスコバーをはじめ、強力なリリーフ陣については「ベイスターズはとてもいいブルペンピッチャーがたくさんいるので、誰もがしっかりと回を締めてくれる」と信頼を口にする。
さらに「ソトのバット」を借りて自援護となった一打には、「自分はヒットをなかなか打てないと思っているので、あの場面でヒットが出たことはとても嬉しい。自分を援護することができたのでいい一本だった」と満足げ。
難しいスライダーを捉えたことにも、「来た球に素直にバットを出しただけ」と語り、“無心のスイング”が好結果をもたらしたようだ。
三浦大輔監督も、右腕の投球については「今日はゾーンの中で動かしながら良さを出してくれた」と高評価。適時打も「本当にナイスバッティングでした。素晴らしいです」と喜んだ。
また、イニング途中のピンチから送り出したエスコバーについても「スコアリングポジションに行ったらエスコバーで、と準備をさせてました。本当にいい働きをして、自分の仕事をしてくれました。完璧ですよエスコバーは」と絶賛した。
横浜スタジアム史上最多3万3135人の観客の前でファンに勝利を届けられた三浦ベイスターズ。指揮官も「この中でできることはプロ野球人として幸せですね。今日みたいに一緒に喜べるように、また明日から続けていけるようにしていきます」と決意を新たにした。
この勢いそのままに、明日も貪欲に勝利を目指す。
取材・文=萩原孝弘