中日・立浪和義監督 (C) Kyodo News

◆ 「1点もやりたくないのは分かるが……」

 中日は10日、ホームで広島に0-4で敗戦。2連敗でこのカードの負け越しが決まった。

 前夜は岐阜で0-1の悔しい敗戦。この日はバンテリンドームに戻り、打順も変更して反撃を期したが、広島先発・九里亜蓮を最後まで攻略することができず。4安打に終わって2試合連続の完封負けを喫した。

 中日の戦いぶりについて、10日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した笘篠賢治氏は「3回のドラゴンズの守備シフトを見てほしいんですよね」とし、攻撃面ではなく守りの印象的なシーンをピックアップして紹介した。

 0-0で迎えた3回表、先発の涌井秀章が無死満塁のピンチを招き、打席には4番のライアン・マクブルームを迎える。

 ここで中日ベンチは序盤から1点阻止の前進守備を選択。この場面に関して、笘篠氏は「相手はマクブルームですから、前に守れば守るほどヒットゾーンは広がってくる。打線が苦しいだけに、ベンチの1点もやってはいけないという思いが現れたシフトだと思うんですが、僕だったら“監督、後ろ守らせていいですか”と言いたい。序盤なのでダブルプレーで1点は仕方ないと考えて、傷口を広げないようにしたいと考えるんですが、監督経験のある真中さんはどうですか?」と番組MCに投げかけた。

 真中満氏は「点を取られたくないという立浪監督の考えも分かります。ただ投手としては、プレッシャーがかかるなと。序盤から1点もあげられないという気持ちで投げなければいけないので」と指揮官の気持ちは汲み取りつつ、先発投手に与える影響の大きさに言及した。

 これを受けて笘篠氏は「6回を自責点3以内の“クオリティ・スタート”という言葉もあるじゃないですか。なので、点がなかなか取れていないというのは分かるんですが、投手にはこれくらいの許容範囲を与えてあげないとしんどいんじゃないかなと思いますね」と続けた。

 また、このシーンについて元投手の平松政次氏は「前進守備ということは点をやりたくないということですから、投手もその考えをもって厳しいボールを投げていかないといけない」とコメント。

 そのうえで、涌井が2球続けたスライダーを打たれた点について「そこがどうだったかなと思った。涌井であればシュートもあるので、シュートを厳しいコースに投げ込んでいく方が良かったような気はします」と配球に言及した。

 ここまでチーム防御率はリーグトップの2.61と投手陣の奮闘が目立っているだけに、守りで大きなプレッシャーをかけないためにも打線の奮起が待たれるところ。

 まずはスコアボードに1点を刻み、逆襲のキッカケを作りたい。

☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』

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