ロッテの西野勇士は先発した11日の西武戦、6回以外は毎回走者を背負う苦しい投球も要所を締め、6回・88球、8安打、7奪三振、1死球、無失点に抑え、リーグトップタイの4勝目を挙げた。
右肘のトミー・ジョンから本格復帰となった昨季は37登板全てリリーフで、3勝3敗15ホールド、防御率1.73の好成績を残した。「先発のつもりで調整してきているので、今は先発の気持ちでいます」とオフの自主トレから先発で投げる準備をし、競争を勝ち抜き先発ローテーション入りを果たすと、ここまで5試合・29回を投げて、4勝1敗、防御率3.10。先発投手の指標のひとつにあたるクオリティスタート(QS、6回以上3自責点以内)は3試合達成している。
西野はこれまで何度も先発 → リリーフ、リリーフ → 先発の転向をしてきた。その度に、きっちりとその役割を果たしているのが西野の凄さでもある。13年に先発で9勝を挙げると、14年から抑えに配置転換し3年連続で20セーブ以上をマーク。14年と15年には30セーブ以上を挙げた。17年と18年は成績を落とすも、19年の夏前には「みんな好不調の波があるように、その中で『これだ』っていうのをみんな掴むから1年間一軍に居続けられる。僕の中でもある程度、『こういうのかな』というのが1個あって、それは先発転向する直前から(良い)感覚が続いているのかな」と“新しい感覚”をつかみ始め、先発・リリーフの両方をこなし37試合・70回を投げて2勝3敗5ホールド2セーブ、防御率2.96と完全復活。20年に右肘を手術したが、復帰した22年はリリーフ、そして今季は先発で、先発でもリリーフの時と変わらず安定した投球を見せる。
西野に先発でもリリーフでも好結果を残せているのは“自分の役割”を全うすることを常に意識しているからなのかとぶつけると、「それはもちろんあるかもしれないですね」と回答。
続けて西野は「僕の中での先発の理想像があって、それはとにかくカウント、テンポ、そういうところを、もちろんランナーが出たらテンポというところの話は変わってくるかもしれないですけど、過程というか、試合の作り方はある程度理想がある。それをやっているという感じですかね」と、先発での理想像について明かしてくれた。
「どんな相手でもそうなんですけど、カウントを自分有利で持っていけるような感じにしないといけないと思っている。後手後手にまわっていれば四球とかもそうですけど、自分が追い込まれていくので、投げる球がどんどんなくなっていくという悪循環みたいになってくる。とにかくストライク先行で」。
ストライク先行で投球していたこともあり、11日の西武戦は6回までに8安打を許したが、88球という少ない球数だった。現在、美馬学、石川歩といった先発ローテーションの軸として期待された2人が一軍不在の中で、西野が先発でゲームを作り、なおかつチームに勝ちをもたらしているのは非常に大きい。どの役割でもハイレベルにこなす西野は、間違いなく好調の先発陣を支えるひとりになっている。
取材・文=岩下雄太
右肘のトミー・ジョンから本格復帰となった昨季は37登板全てリリーフで、3勝3敗15ホールド、防御率1.73の好成績を残した。「先発のつもりで調整してきているので、今は先発の気持ちでいます」とオフの自主トレから先発で投げる準備をし、競争を勝ち抜き先発ローテーション入りを果たすと、ここまで5試合・29回を投げて、4勝1敗、防御率3.10。先発投手の指標のひとつにあたるクオリティスタート(QS、6回以上3自責点以内)は3試合達成している。
西野はこれまで何度も先発 → リリーフ、リリーフ → 先発の転向をしてきた。その度に、きっちりとその役割を果たしているのが西野の凄さでもある。13年に先発で9勝を挙げると、14年から抑えに配置転換し3年連続で20セーブ以上をマーク。14年と15年には30セーブ以上を挙げた。17年と18年は成績を落とすも、19年の夏前には「みんな好不調の波があるように、その中で『これだ』っていうのをみんな掴むから1年間一軍に居続けられる。僕の中でもある程度、『こういうのかな』というのが1個あって、それは先発転向する直前から(良い)感覚が続いているのかな」と“新しい感覚”をつかみ始め、先発・リリーフの両方をこなし37試合・70回を投げて2勝3敗5ホールド2セーブ、防御率2.96と完全復活。20年に右肘を手術したが、復帰した22年はリリーフ、そして今季は先発で、先発でもリリーフの時と変わらず安定した投球を見せる。
西野に先発でもリリーフでも好結果を残せているのは“自分の役割”を全うすることを常に意識しているからなのかとぶつけると、「それはもちろんあるかもしれないですね」と回答。
続けて西野は「僕の中での先発の理想像があって、それはとにかくカウント、テンポ、そういうところを、もちろんランナーが出たらテンポというところの話は変わってくるかもしれないですけど、過程というか、試合の作り方はある程度理想がある。それをやっているという感じですかね」と、先発での理想像について明かしてくれた。
「どんな相手でもそうなんですけど、カウントを自分有利で持っていけるような感じにしないといけないと思っている。後手後手にまわっていれば四球とかもそうですけど、自分が追い込まれていくので、投げる球がどんどんなくなっていくという悪循環みたいになってくる。とにかくストライク先行で」。
ストライク先行で投球していたこともあり、11日の西武戦は6回までに8安打を許したが、88球という少ない球数だった。現在、美馬学、石川歩といった先発ローテーションの軸として期待された2人が一軍不在の中で、西野が先発でゲームを作り、なおかつチームに勝ちをもたらしているのは非常に大きい。どの役割でもハイレベルにこなす西野は、間違いなく好調の先発陣を支えるひとりになっている。
取材・文=岩下雄太