ニュース 2023.05.29. 10:31

ロッテ・本前「一軍の試合を想定して」イースタントップの39奪三振、防御率は2位の1.81と安定

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ロッテの本前郁也(撮影=岩下雄太)
 ロッテの本前郁也は、開幕から一軍の先発陣が好調なこともあり一軍での登板はないが、ここまでイースタン・リーグトップの39奪三振、防御率はリーグ2位の1.81と一軍にいつ呼ばれてもいいような結果を残している。

 今季の本前はとにかく、ストレートが力強い。4月11日の巨人二軍戦では、初回先頭の廣岡大志(現オリックス)を3ボール2ストライクから高めの144キロストレートで空振り三振に仕留めると、続く重信慎之介に対しては5球全てストレートで、インハイの144キロストレートで空振り三振。昨季まで課題にしていた初回を、ストレート中心に三者凡退に抑えた。

 本前はストレートについて「ずっと強くしようと思ってやってきている。最近はうまく体を使えて、強い真っ直ぐが投げられているのかなと思います」と、その要因を語った。

 ストレートの良さが、変化球にも良い影響を与えている。昨年2月に取材したときに「スライダーを決め球にできるように」と話していたスライダーは、今季カット系のスライダーが多い。本前は「そうですね、変化が少なくて速い球。今、真っ直ぐが良いのでそれに近い球で空振りが取れればいいかなと思って、そういう球を投げています」と明かした。

 課題だった立ち上がりも克服している。昨季イニング別では1回の9失点が最多失点だったが、ファームとはいえ、今季は初回の失点はここまでわずかに1。本前は「初回から強い真っ直ぐとカーブ、変化球で腕を振るというのを意識してできているので、それがいい結果になっているのかなと思います」と分析した。

 投球に注目すると、走者がいないときも時折クイックで投げたり、間合いを変えて投げたりと工夫を凝らす。「いろんなところで変化をしていかないと。一軍の試合を想定してとなると、一流のバッターというのはテンポ、自分の変化球だけじゃ変えられないと思うので、フォームでも変化を出していって、自分の球種プラスフォームで倍になっていくというか、フォームで2種類、3種類あったらそれも変化になるので。レバートリーが増えるという意味で使い分けています」。一軍で投げることを想定しながらファームでも投げている。28日の日本ハムとの二軍戦でも、1-0の2回無死走者なしで石井一成に対して、1ストライクからの2球目にクイック気味に投げていた。

 「一軍のピッチャーはみんなQSができて長いイニングを投げている。しっかり自分も二軍ですけど、引き続き長いイニング、球数少なくというのは意識してやっていきたいと思います」。チャンスが来たときに、“結果”という形で応えられるよう、準備している。

▼ 本前郁也のファーム投球成績
9試合(8先発)1勝2敗 44回2/3 39三振 8四死 防1.81
【月別】
3・4月:5試 1勝1敗 24回1/3 23三振 3四死 防1.48
5月:4試 0勝1敗 20回1/3 16三振 5四死 防2.21

取材・文=岩下雄太

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