ニュース 2023.06.02. 13:45

侍ジャパン・栗山英樹監督、退任会見「日本野球の素晴らしさを少しだけ伝えることができたのかな」

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侍ジャパンの栗山英樹監督
 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で3大会ぶりに世界一に導いた野球日本代表・栗山英樹監督の退任会見が、2日行われた。

 栗山監督は会見の冒頭、「まずは短い期間なのか、長い期間なのかわからないですけど、ジャパンの監督を務めさせていただきました。多くのメディアの皆さん、ファンの皆さん、本当に応援いただきありがとうございました。結果的に勝ち切ることができて、先輩方が作ってくださった日本野球の素晴らしさを少しだけ伝えることができたのかなというのと、今見てくれている子供たちがまた野球って面白いなと思ってほしいという思いで戦ってきましたけど、そういったものを感じていただけるならば、本当に良かったなと思います。いい環境と応援してもらって、僕も思いっきりやることができた。皆さんに本当にお礼を言いたいと思います。ありがとうございました」と挨拶。

 その後、代表会見が行われた。以下が一問一答。

【一問一答】
―― 14年ぶりの世界一、監督を退任しての率直な思いは?
「本当に日々WBCの戦いを見据えて1年半弱ですけど毎日一生懸命考えて野球を見て、いろんな人に会ってという時間でしたけれども、あれだけ必死になる環境を与えてもらって、すごく感謝していますし、なかなかあれだけ充実した時間というのはこれからもないのかなというくらい充実していました」

―― 侍ジャパンの監督として最も強く印象に残っている試合は?
「僕にとってWBCの試合7試合全てですね。最初の試合もすごく大事な試合だったし、たとえば中国戦、チェコ戦でも相手の選手たちの一生懸命な姿であったり、そういったものを感じながら、こっちも気がつくこともあったりというところで、1試合1試合意味があった。勝ち切った瞬間も大きいのかもしれないですけど、1試合1試合が生涯忘れられない試合かなと思います」

―― 代表候補選出にあたり色々な球場で視察したりした。会話、エピソードなどあったら教えてください
「コロナ禍ということもあって、逆に選手とゆっくり話ができなかった。僕のタイプって選手とコミュニケーションをとりながら進みたいタイプだったので、それができなかったことの方が印象として残っています。一番印象深いのは、どの選手と顔を合わせても、“監督、ものすごいみんな選手が来てくれますよね”っていう選手の期待感というんですかね、そのことは言葉にしないんですけど、肌感として感じていましたし、一切それを口にすることはありませんでしたけど、僕自身もファンの皆さん、選手、NPBの皆さんにお世話になりましたけど、僕に任せてもらって、“監督、最高のチームお願いしますよ!”という思いは感じていた。選手選考というよりも、選手がどういう形で集まってくれるか正直プレッシャーもありました。そういう中で全ての選手が自分のことを捨てて、日本野球のために集まってくれた。それだけには本当に感謝しています」

―― WBCでは若い選手が多かった。今後期待すること
「若い選手をあえて選んだというつもりは全くなくて、一番強いチームと思ってやったのが、ああいう若い力のある選手たちが日本にいっぱいいたということだと思います。ただ、これから日本の野球の伝道師たれというところのお願いは最後に選手たちにさせてもらいましたけど、僕以上に選手たちはそれをわかっていて、しっかりやってくれると思います。若い分だけ僕も長く楽しめるというのはありますけど、時間をかけながら選手たちが日本の野球の素晴らしさをさらに伝えてくれると信じています」

―― 侍ジャパンの未来、今後どのようになっていってほしい
「今回すべての選手がいろんな事情がありながらも、個人的な理由は差し置いて、関係ないんだ、日本野球のために集結するんだという姿を選手が見せてくれた。これ以降は、全ての野球人が自分の都合を忘れ、日本野球のために全員が尽くす形になったと僕は信じている。そういう日本野球をこれからも応援し続けたいと思います」

―― 未来を背負う子供たちにメッセージを
「コロナ禍で正直監督を引き受けた時に、コロナがどうやって収まっていくのかという心配もありました。そういうものが少しずつ緩和されていく中で大会があった。多くの苦しんでいる皆さんに笑いと元気がお届けできればと思いましたけど、少しでもあれば嬉しいですし、今回出てくれたWBCのメンバーを細かく聞いていくと、ほぼほぼ小学校、中学校の時に、WBCの姿を見ていつかあのユニホームを着てとみんなが思っている。ですから、10年後くらいですかね、将来侍ジャパンのユニホームを着ている選手たちが、ほぼほぼ今回のWBCに刺激を受けてというふうな話をしてくれることを信じている。逆に野球選手だけではなくて、野球の面白さ、野球のある意味、大きく言えば、改めてスポーツの大きさを感じさせてもらった。そういったものが日本野球だけではなく、日本のスポーツ界のプラスになれば嬉しい。僕もできるだけのことはしていきたいと思います」

(取材=ニッポン放送アナウンサー・洗川雄司)
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