エースの力投も実らず……

　DeNAは30日、本拠地で中日に1－2で惜敗。圧倒的な勝率を誇るホーム・横浜スタジアムで連敗ストップを目論んだ三浦ベイスターズだったが、その思惑は儚く消えた。

　先発の今永昇太は中日打線を3回までパーフェクトに抑え込み、7回までの段階でスコアリングポジションにランナーを進められたのは2回のみとほぼ完ぺきな内容。味方打線が中日・小笠原慎之介から奪った虎の子の1点をそのまま守り切るかと思わせたが、8回に思わぬ落とし穴が待っていた。

　先頭・村松開人の当たり損ねの打球に今永も素早く反応したが、スレスレのところでタッチできずに出塁を許してしまう。このワンプレーが勝負を大きく左右した。


　続く石橋康太の送りバントで走者が得点圏に進められるも、代打の福永裕基からは三振を奪い、このまま流れを断つかと思われたところで、代打の宇佐見真吾に左中間を破られて試合は振り出しに。

　同点の9回にはセットアッパーの伊勢大夢を投入したが、四球からリズムを崩し、高橋周平にレフトへの適時二塁打を許して万事休す。1－2で接戦を落とした。

指揮官は「凡事徹底」を強調

　試合後、三浦大輔監督は今永について「しんどい展開を我慢強くよく粘ったと思います」と労ったが、打線については「先制はできたんですけどね、その後追加点というところが取れずに、苦しい展開になりました」と歯切れが悪かった。

　斎藤隆チーフピッチングコーチも「ボールは良かったと思います」と今永に高評価を与えつつ、勝負を左右した内野安打には「1点差の展開だとああいったことが起きやすいですよね。完璧に9回まで行くことは野球では難しいんでね」とコメント。

　続けて「でもプロですから、そういう意味ではもちろん踏ん張りどころではあったんですけど……あのプレーに関してはやむを得ないかなと思います」とし、これも勝負のアヤと振り返った。


　最後は「4連敗ですからね。みんなでなんとか止めようという中でも止められなかったわけですから。なにか一つキッカケにして止めないといけないですし、あとはブレずに、バタバタしないで、凡事徹底。結果が出てきたこともあるわけですから、その辺をもう一回、徹底してやっていきます」と宣言した指揮官。

　優勝を狙うチームは、ここで下を向く訳にはいかない。


取材・文＝萩原孝弘