ニュース 2023.07.15. 05:00

前回王者・ENEOSが連覇へ白星発進 ドラフト上位候補・度会隆輝は1安打1打点も「悔しいの一言」

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ENEOS・度会隆輝外野手
【第94回都市対抗野球大会・1回戦】
○ ENEOS 10 - 3 バイタルネット ●
(14日・東京ドーム)

 社会人野球の祭典、第94回都市対抗野球大会が14日に開幕。前回王者・ENEOS(横浜市)が13安打10得点の猛攻でバイタルネット(新潟市)を下し、2回戦へと駒を進めた。今秋のドラフト上位候補・度会隆輝外野手(20)は「5番・右翼」でスタメン出場。試合中に右脚をつるアクシデントに見舞われたが、1安打1打点と存在感を示した。

 白星発進の好スタートを切ったが、度会はこみ上げてきた悔しさを隠しきれなかった。3回一死一塁で迎えた第2打席、外角低めのスライダーに手が出てしまい2打席連続空振り三振。その際に右脚の付け根付近がつってしまい、終盤にはハムストリングスもつってしまったため、9回の守備からベンチに退いた。打率4割2分9厘、4本塁打、11打点の活躍で、野手では史上初となる橋戸賞、若獅子賞、打撃賞の3冠に輝いた前回大会はフルイニング出場を達成。それだけに「悔しいの一言。去年は全部最後まで戦い抜いたのに、初戦で足をつるのはめちゃくちゃ勿体無い。そのままやっていましたけど、足をつってしまった時点で負け。フルで戦い抜かないとダメだと思う」と反省しきりだった。

 元ヤクルトの内野手、父・博文氏(51)からは「自分らしく、力まずにやればお前なら大丈夫だから」と背中を押されたが、「全然力んでしまいました。気持ちの中では力まずにと言い聞かせていましたけど、目に見えない力みや『やってやるぞ』という思いが前に出過ぎた」。それでも2−2の5回一死一・二塁では、詰まりながらも右前にはじき返して好機を拡大。右脚をつりながらも今大会初安打を放つなど、1安打1打点をマークした。「もっと打てたと思う」と下を向いていた度会だったが、大久保秀昭監督(54)は「仕事はしていますし、次回も期待したい」と信頼を口にした。

 次戦は20日の第1試合、トヨタ自動車(豊田市)とHonda(寄居町・小川町)の勝者と対戦する。「2回戦は1回から9回まで全力プレーで、フル稼働でいきたい。僕のヒットでチームの勝利に貢献できるように、全力でやっていきたい」と背番号25。史上初となる3度目の大会連覇へ、誰もが度会のその言葉を信じている。

取材・文=灰原万由(はいばら・まゆ)
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