「かなり勇気がいる」2人の度胸を称える
20日にマツダスタジアムで行われた『マイナビオールスターゲーム2023』の第2戦。パ・リーグが6-1で2連勝を決めたのだが、この試合ではプレイボール直後にスタンド全体をザワつかせる“事件”が起こった。
全セ先発の広島・九里亜蓮が投じた1球目に対し、全パの1番・杉本裕太郎はセーフティバントの構えを見せると、右腕から放たれた投球は杉本の背後を通過してバックネットへ。ヒヤッとする一球に杉本はヘルメットを脱ぎながらマウンドへ向かうと、九里は九里でグラブを外して詰め寄り一触即発の臨戦態勢となった。
試合開始直後の突然の出来事に場内は騒然となる中、徐々に近づいた両者は笑顔でハグ。実は2人の間で打ち合わせ済みだったという“乱闘寸劇”が終わると、何事もなかったかのようにゲームがリスタートした。
リーグは異なるものの、ともに1991年生まれの同級生。加えて九里が亜細亜大、杉本は青山学院大の出身ということで、かつては同じ東都リーグで対戦していたという間柄でもある2人だからこそ実現したひと幕は、20日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者たちの間でも話題に。
五十嵐亮太氏は「相談していたということですけど、(周りは)どこまで知っていたのかなと。“危ない!”と思った瞬間に審判も“あれ?”という感じで一歩前に出ていますよね」と突然の出来事に困惑気味だった審判にも触れながら、「こういったシーンはオールスターじゃないと見られないので」と印象に残ったひと幕として取り上げた。
そのうえで、「かなり勇気がいると思う。滑った時めちゃくちゃ怖いですもん」と満員の観客に加えて地上波中継、ネット配信も行われる注目度の高い一戦で爪痕を残しに行った2人の度胸には太鼓判を押す。続けて「会場のみなさんも喜んでいましたし、頑張った2人を僕は見てもらいたいと思います」と強調して2人の強心臓ぶりを称えた。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』