東の力投、4番の一発も虚しく…

　頼れる左腕と4番が作った良い流れに沸いたベイスターズファンが、8回二死から一瞬にして静まり返った。

　先発の東克樹は毎回のように走者を背負いながら、要所を締める投球で6回を最少失点に抑えると、6回裏に二死から宮﨑敏郎が安打で出塁。気合いの入った表情で打席に入った4番の牧秀悟が、村上頌樹の3球目をレフトスタンド上段へ叩き込み、ひと振りで逆転に成功した。

　東が7回まで1失点で投げきり、三浦大輔監督はセットアッパーの伊勢大夢にバトンを託す。ところが、先頭の森下翔太は打ち取った当たりながら内野安打となって出塁を許すと、続く大山悠輔は見逃し三振に仕留めたものの、代走の植田海に二盗を決められ、さらに山本祐大の送球を牧が止めることができず、この間に三進も許してしまう。


　一死三塁と場面が変わり、佐藤輝明は3球三振に打ち取ったが、二死三塁からシェルドン・ノイジーのフラフラと舞い上がった打球は右翼手・蝦名達夫のダイビングも及ばずフィールドにポトリ。2－2で試合が振り出しに戻った。

　なおも二死一塁から坂本誠志郎に安打で続かれ、続く木浪聖也に2点適時二塁打を浴びて2－4。勝ち越しを許すと、代わった入江大生も流れを食い止めることができず、糸原健斗に適時打を浴びてリードを広げられた。


　試合後、三浦監督は東について「立ち上がりから真っ直ぐ、スライダー、チェンジアップもよく、ストライクゾーンを広く使って投げていた」と合格点を与えたが、伊勢に対しては「結果なんでね。確かに打ち取った当たりが落ちたりとかありましたけど……まあ結果だと思います」と言葉を振り絞った。

　また、決死のダイブも届かず結果的に同点適時打となった蝦名の守備についても「守備固めで関根も蝦名も入れていますから……まだ映像を見ていないですが、飛び込んだプレー。練習していくしかないと思います」とコメントした。


　この日は2回の宮﨑の送球ミスに始まり、山本も止まった走者に気づかず送球してエラーを記録するなど、流れを掴めなかったこともあって、「チーム全体で細かいところをやっていかないといけない。できていないのはこっちの責任ですから、そこをやっていくしかないです」と反省点も口にした。

　明日こそ凡事徹底し、目の前の一勝にこだわっていかなければならない。


取材・文＝萩原孝弘