春先は安定も苦しんだ6・7月
「早く活躍できるに越したことがない。そのための準備はしています」。
佐々木朗希が故障で離脱し、チームトップタイの8勝を挙げる西野勇士が登板間隔を空けながらマウンドに上がる中で、ロッテ・小島和哉はローテーションの軸として安定した投球が求められる。
小島は4月18日の日本ハム戦から5月24日の西武戦にかけて5連勝するなど、5月終了時点で5勝1敗、防御率1.88、先発した8試合中7試合でクオリティスタート(6回以上3自責点以内)を達成し、先発陣を支えた。6月に入ると打たれる登板が増え、6・7月の2カ月は7試合・38回2/3を投げ、0勝2敗、防御率6.98と苦しんだ。
「しっかりしなきゃという気持ちがだいぶありますけど、歯がゆいこの2ヶ月くらい過ごしているので、自分にとても腹が立っている。チャンスをたくさんくださっているので、なんとか期待に応えられるようなピッチングができたらなと」。8月以降の巻き返しを誓う。
例年後半戦に強い
先発ローテーションに定着した20年以降、オールスター明けの後半戦を得意にする。特にオリックスとリーグ優勝を争った21年は東京五輪明け、10試合・67回1/3を投げて、5勝1敗、防御率2.67。プロ初完投勝利をあげた9月11日の楽天戦以降は7試合中6試合でQSを達成した。
2年連続で規定投球回に到達し、ここ数年ロッテ先発陣でローテーションをシーズン通して守っているのは小島のみ。5月24日の西武戦以降、中6日以上の登板間隔を空けて先発してきたが、オールスター明けは2週連続で中6日での先発となる。
「基本中6日で投げていた方が流れが掴みやすいですし、8月からは6連戦が続く。8月に入ったら“基本、中6日でいくよ!”と言われていたので、6月、7月までは登板が空いて配慮というか、気を遣って登板の間隔を組んでくれていたのかなと思います」。
投球面ではシュートの割合が減少
投球面ではここ最近の登板を見ると、開幕から右打者に対して投げていたアウトコースのシュートを投げていない。
「あんまり投げていないですね。データを見ると、打たれている球がシュートが多かったので、結局真っ直ぐの被打率が高くない感じでした。ならば投げる必要がないかなと思って、カウントが悪い時にはあんまり使わなくなりました」と、シュートを投げていない理由を説明した。
「自分の投げる試合でここのところ内容がすごい悪いんですが、得点はかなり取ってくれている。少ない得点の時こそ自分が抑えて助けられるようにという気持ちですけど、まずはしっかり自分のピッチングをすることだけを考えて頑張りたいです」。リーグ優勝に向けて先発陣の安定、小島の復調は必要不可欠。考えすぎずに自分が投げるボールに自信を持って、目の前の打者を打ち取ることに集中して投げて欲しい。
取材・文=岩下雄太