2023.08.11 18:00 | ||||
阪神タイガース | 2 | 終了 | 1 | 東京ヤクルトスワローズ |
京セラD大阪 |
1イニングに4投手をつぎ込む執念の継投
阪神は11日、京セラD大阪でのヤクルト戦に2-1で勝利。これで破竹の8連勝を飾り、12球団一番乗りでシーズン60勝に到達した。
この日の阪神は走者こそ出すものの、あと一本が出ないロースコアの展開が続いた。1-1で迎えた8回表、岡田彰布監督はここまで7回1失点の好投を見せていた村上頌樹に代わり、左腕の島本浩也をマウンドに送る。先頭の濱田太貴に安打を許し、塩見泰隆は右飛に打ち取ったが、宮本丈には犠打を決められて二死ながら二塁とピンチを迎えると、指揮官は山田哲人を迎えるところで右の岡留英貴にスイッチした。
しかし、岡留も四球を与えて二死一・二塁となり、村上宗隆を迎えるところで今度は及川雅貴が登板するも、ここもフルカウントからの四球で二死満塁に。また右のドミンゴ・サンタナとなったところで、この回4人目の馬場皐輔をマウンドへ。執念の継投が実り、馬場がサンタナを中飛に仕留めて大ピンチを切り抜けた。
するとその裏、代打・糸原健斗の適時二塁打で勝ち越しに成功し、これが決勝点。結果的には8回表を無失点でしのいだことが勝利を大きく手繰り寄せた。
同日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』でも、解説陣からは「岡田監督の采配が冴えていた」と指揮官の采配が勝因として挙がった。
中でも8回の投手起用に関しては、高木豊氏も「昭和の野球を見ているよう。分業制が進み、リリーフには1イニングを任せるのが主流になった中での一人一殺ですからね」と驚きながら、監督経験のある真中満氏に“1イニング4投手”の継投について質問を投げかけた。
真中氏は「1イニングに4人はなかったと思います。ピッチングコーチに怒られます」と監督時代を思い返しつつ、「岡留あたりは若いピッチャーじゃないですか。この場面でなかなか起用できないですよ。“経験を積ませながら勝ちに行く”という余裕すら感じましたよ」とコメント。4人をつぎ込んだ点はもちろんのこと、その中で経験の浅い若手を躊躇なく投入した勇気と大胆さを強調した。
この勝利で貯金が22となり、2位・広島とのゲーム差は6に拡大した。
勝負の8月に入って9勝1敗と快進撃が止まらない阪神。厚い選手層に指揮官の卓越した勝負勘も合わさり、悲願の“アレ”が少しずつ近づいている。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』