9回無安打の快投も援護なく…
9回までスコアレスと行き詰まるゲーム展開の中、中日が宇佐見真吾の劇弾で延長戦を制し、広島相手にこのカード2勝1分けと勝ち越しを決めた。
中日の先発・柳裕也は、立ち上がりからストレート、変化球をゾーンいっぱいに使うピッチングで広島打線を翻弄。初回は龍空のエラーで出塁を許したが、2回から6回まではパーフェクトに抑えると、9回まで相手にヒットのランプを灯させることなく投げ切った。
ノーヒットノーランを夢見て9回の攻撃をベンチから見つめる柳だったが思いは届かず、残念ながら大記録達成はお預けとなった。延長に突入したゲームは10回に投入したライデル・マルティネスがまさかの被弾。しかしその裏、石川昂弥と宇佐見真吾の連続ホームランで一気にひっくり返し、バンテリンドームに歓喜の声がこだました。
お立ち台に上がった柳は「人生で初のノーヒットノーランなんですけど、本当に達成できると思ってなかったので。ありがとうございました!」とおどけながらスタンドの爆笑を誘いながらも「ふざけるのはここまでにして、最初に岡林がヒットを打って今日は岡林のためにヒーローインタビューでしゃべってもらおうと思って投げたので、勝ち試合になって良かったなと思います」締めくくり、ドラゴンズファンの喝采を浴びていた。
13日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』で解説として出演した江本孟紀氏は「もったいないですね。(延長で飛び出した)ホームランとかもっと前に打ってくれよと思うんだけど」と記録達成ならなかった柳の気持ちを推測。「しかしね、これだけ投げられるという潜在能力があるということの証明でもあるわけですから、勝ち星を増やしてもらいたいですよね」と今後に期待した。
もう一人の解説者・池田親興氏も「コントロール、緩急、お手本のようなピッチングをして、高めも低めも横も前後の幅も使って、これぞ柳というところでした」と大絶賛。しかし防御率2.90でわずか3勝の現状に「防御率と勝ち星が合っていないし、これでノーヒットノーラン付かないということは、ヒーローインタビューでも話していましたけれども、胸の内を吐き出しておかないと、次に進めないような気がしたんで」とピッチャー目線で解説した。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』