チェンジアップ、テイクバックを小さくしたフォーム
「チーム的にもすごい大事な時期に使ってくださっているので、自分もその期待に応えられるようにいい準備をして試合に臨みたいと思います」。
ロッテの中森俊介は3日の楽天戦でプロ入り後、2度目の先発登板となる。
プロ初先発となった前回登板の8月23日のソフトバンク戦は初回から3回までテンポよく29球で無失点に抑えていたが、4回と5回に失点し、5回・74球、5安打、1奪三振、3四死球、4失点だった。
0-0の初回先頭の三森大貴を2ストライクから空振り三振に仕留めた129キロチェンジアップ、2-3の5回一死二、三塁で柳田悠岐に投じた初球の123キロチェンジアップは完全にタイミングを外して空振りを奪うなど非常に良かった。
開幕一軍を目指しリリーフで投げていた頃は、決め球としてフォークが多く、チェンジアップをほとんど投げていなかった。3月に取材したときには「今はチェンジアップが投げられなくなりました」と話していた。
どういったきっかけで、チェンジアップを再び投げられるようになったのかーー。
「去年はチェンジアップを結構投げていて、そんなに空振りを取れる球が自分の中でなかったので、オフシーズンというか春先からフォークを練習していました。そこからチェンジアップを完全に消すようになって投球のスタイル、幅が縮こまったのを感じていました。完全に消すのではなくて、どの球種もうまく併用しながらやって無理に縮こまらないように、今まで通りでという意味でチェンジアップを投げ始めました」。
チェンジアップを再び投げ出した同じ時期に、5月28日の日本ハム二軍戦を境にテイクバックを小さくしたフォームに修正した。
「テイクバックを小さくしようと思って練習していたんですけど、そこは自分の球質にも結構変化があったので、それだったら今までの感じのスライドする気味の方がいいと感じたので、元に戻しました」。
春先には一軍で中継ぎを経験
中森は2月の練習試合、オープン戦とリリーフで結果を残し開幕一軍を掴み、4月5日の日本ハム戦でプロ初勝利を飾ったが、4月17日に一軍登録を抹消。ファームに降格してからは、リリーフで登板していたが、6月7日の楽天二軍戦から先発に配置転換となった。
8月はファームで2試合14イニング投げたが、失点は0。7月22日の楽天二軍戦から3試合連続無失点と、結果を残して一軍に上がってきた。
「中継ぎをしている時は先発の方が投げて繋いできた試合の流れ、そういうのにうまく入るのが難しかったというのはあります。先発をやっていても自分で試合の流れを作れるポジションではあるんですけど、良い流れを作れる一方で、悪い流れを作る可能性もある。どちらも難しいと言えるんですけど、どちらもやっていていい経験はできているなと思います」。
小野晋吾投手コーチは中森について「一軍で中継ぎを経験して、先発として準備していくということでファームにいった。準備ができたというところで一軍の先発になっているので、そういう準備はしっかりしてきて、前回はそこそこの内容だった」と評価する。
続けて小野コーチは「1週間、10日でどう自分で考えて、準備してきているのかというのを次の登板で見れるのかなと。そういう楽しみはありますね。結果とかじゃなく、自分のやってきたことをぶつけてくれればいいと思うので、それが良い結果につながれば」と期待する。
4月5日の日本ハム戦ですでにプロ初勝利を挙げているが、3日の登板で先発での初勝利を飾りたい。
取材・文=岩下雄太