復帰後はファームで2試合に登板
「いい感じで投げられていると思います」。
ロッテの二木康太は、8月19日の西武二軍戦で今季初登板を果たした。同日の西武二軍戦では、先頭の山村崇嘉を133キロのフォークボールで空振り三振、続く川野涼多を145キロの外角ストレートで見逃し三振に仕留めるなど、1回を無失点に抑えた。
二木はここまでファームで2試合・4回1/3を投げ、4奪三振、無失点。特に8月19日の西武戦で川野を見逃し三振に仕留めた外角のストレートをはじめ、強いストレートを投げている。本人も「いい悪いは、ほぼほぼストレートで決まってくると思うので、ストレートもいい感じで投げられていると思います」と手応えを掴む。
「怪我してリハビリしての繰り返しでした」
二木は20年に自己最多の9勝を挙げ、翌21年には自身初となる開幕投手を務めたが、同年が5勝、昨季は2勝と先発ローテーションの一角として期待されながら、ここ2年は力を発揮することができなかった。
吉井理人監督が就任した今季、春季キャンプの取材で二木は「キャリアハイの成績を残して、チームに貢献したいです」と意気込むも、2月15日のヤクルトとの練習試合で登板したのを最後に登板なし。「ちょっと怪我を繰り返してしまってなかなか復帰までいかなかったです。怪我してリハビリして、怪我してリハビリしての繰り返しでした」とコンディショニング不良により離脱している期間が長く、前半戦は一、二軍で1試合も登板がなかった。
その間に、種市篤暉、小島和哉、佐々木朗希といった二木よりも年下の投手たちが先発陣を引っ張った。種市はプロ入り7年目で初の二桁勝利を達成し、小島も8勝を挙げ、投球回数はチームトップの126回1/3を投げる。
「種市と小島が活躍しているのは見ていましたし、他にも先発ピッチャーが良かったので自分も、という思いはありましたけど、実際今年やることが限られていることが多かった。まずは治すというところだけだったので、もちろん刺激はありましたけど、そこに左右されることはなかったと思います」。リハビリ期間中、後輩たちの活躍を目にしながらも、とにかく自分の怪我を治し、実戦のマウンドに戻ることだけを考えていた。
8月19日の西武二軍戦で復帰し、6日のロッテ浦和球場での練習ではキャッチボール、ランニングなどで汗を流した。シーズンも最終盤を迎え、一軍の残り試合数は25試合。大逆転優勝に向けて負けられない戦いが続く。その中で、二木が一軍のマウンドに戻って来れば心強い。「まずは試合でとにかくいっぱい投げてというところだと思うので、いっぱい投げて自分の状態をさらに良くしていくのも大事かなと思います」。一軍から声がかかるよう、今は自身の状態を上げていく。
取材・文=岩下雄太