逆転CSへ”勝負の10連戦”の初戦を快勝
4位の楽天が、優勝マジックを7としている首位・オリックスに逆転勝利。この日から始まった“勝負の10連戦”は快勝発進となり、残る借金は2となった。
前回登板でノーヒットノーランを達成したオリックス先発・山本由伸を打ち崩した。1点を追う3回、二死一塁から3番・島内宏明が中前打でつなぐと、得点圏で4番・浅村栄斗が左前適時打を放ち同点。5番・岡島豪郎も中前適時打で続き、クリーンアップの3連打で一気に試合をひっくり返した。
5回は1番・小深田大翔の中前打が中堅・中川圭の失策を誘うと、無死三塁で2番・小郷裕哉が右犠飛を放ち3点目。楽天打線はこの試合の2回まで26イニング連続無失点&43イニング連続自責点0だった山本に9安打を浴びせしぶとく3点を奪った。
先発の岸孝之は2回、三塁・小深田の失策絡みで先制点を失うも、終始安定した投球で6回4安打1失点(自責点0)。7回以降は宋家豪、渡辺翔太、松井裕樹が1イニングずつゼロを刻み、岸は7勝目(5敗)、松井裕は35セーブ目(1勝3敗)をマークした。
16日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説の坂口智隆氏は「今日は本当に(ゲーム内容が)良かったと思いますね。絶対的なエースに対して積極的に行くというのは鉄則なんですが、それが今日はやれていました」と振り返り、「山本投手が2回からストレートが少しシュート回転して入ってくる球が目立ったんですよ。ボール球がはっきりボールになってしまうようになってきた中で、(楽天打線は)入ってきたストライクゾーンの上、ベース盤の上に来たボールをファールにせず、しっかり捉えられた結果が得点につながったと思いました」と、相手エースを見事に攻略した打線を評価した。
また、この試合で好投した楽天の先発・岸について解説の館山昌平氏は「右バッター左バッター関係なしにチェンジアップをしっかり投げられるというところと、変化球の腕振りですね。この腕の振りというのが真っすぐと変わらないので、バッターは見分けがつきづらいと思うんですよ」と語り、「ストライクゾーンにくるボールは結構多いので、厳しいところばかり攻めているわけではないんですよ。やはり、この腕がしっかり振れるというところが彼の持ち味なんじゃないかなと思いますね」とベテラン右腕のピッチングを称賛した。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』