先発・大貫晋一が7回途中無失点の好投
ゲーム差「2」まで詰められていた3位・巨人相手に、薄氷を踏む勝利でDeNAが連敗をストップ。白熱しているクライマックスシリーズ進出争いのなかで、大きな白星を手にした。
この日は先発・大貫晋一のクールながらも熱いピッチングが光った。初回から2奪三振の好スタートを切ると、2回は二死からの連打でピンチを迎えながらここを切り抜け、直後の攻撃で林琢真が適時打を放って先制に成功する。
援護を受けて以降は、6回まで得点圏に走者を進められたのも1度だけという好投を展開。7回に2つの四球を与え、投球数が100に達したところで降板となったが、6回1/3を被安打3、奪三振11で無失点に封じる見事な内容だった。
この7回を勝負どころと踏んだ三浦大輔監督は、一死一・二塁のピンチに伊勢大夢からエドウィン・エスコバーへとつなぐ一人一殺の継投でピンチを脱出。1点差の終盤も8回はJ.B.ウェンデルケン、9回は森原康平が無失点で抑えてゲームセット。完封リレーで虎の子の1点を守りぬいた。
試合後、お立ち台に上った大貫は「光さんのリードを信じて、1球1球魂込めて投げれたと思います」とひと言。6回の三者三振の場面については、「いつも以上に気合の入った試合でしたし、あの回はすごく大事だったのでしっかり投げれてよかったです」と振り返った。
最後は「いつも応援ありがとうございます。ここからまた1試合1試合大事な試合が続くので、しっかりと勝っていけるようにがんばります。応援よろしくお願いします」と帽子を取ると、ベイスターズファンから大きな声援が飛んでいた。
指揮官も投打での奮闘を称える
試合後、三浦監督は大貫について「真っすぐが非常に強かったですし、(伊藤)光もそれを分かってリードしながら、フォークボールもほとんど浮くこともなく、良いコースに投げ切れていたと思います」と高評価。
そのうえで、「今日のピッチングで掴んでほしいですね。自分のものにしてやれれば、これからも楽しみです」と今後に向けて期待を寄せた。
また、この日は打席でも、5回裏の第2打席は結果的に二飛に終わったものの、相手先発ヨアンデル・メンデスに対して必死に食らいつき、11球を投げさせるという粘りを発揮した。
これには指揮官も「なかなかヒットを打つことは難しいですけれども、ピッチャーも打席に入ればやれることをやる。大貫も一人の打者として良いものを見せてくれました」とし、打者としての奮闘ぶりも称えた。
加えて、7回表の守りで切った伊勢とエスコバーをつぎ込む“勝負手”に関しても、「準備させていましたし、そこで最高の仕事をしてくれました」と賛辞のコメント。
連敗をストップし、3位を固めることに成功したが、「目標はそこではない。一つでも上を目指しているので、そのためにも今日勝てたのは大きいと思います」と気を引き締めた指揮官。あくまでも一戦必勝で、勝ち星を積み上げていく。
取材・文=萩原孝弘