「すごい歓声は感じました。ただ(佐々木)朗希と間違えられているのかなと思いましたね」。
ロッテ・佐々木千隼は6日のオリックス戦(ZOZOマリンスタジアム)の12-1の9回に、約半年ぶりに一軍のマウンドに帰ってきた。佐々木千隼にとって今季、本拠地・ZOZOマリンスタジアムで初の公式戦登板。名前がコールされると、ライトスタンドのマリーンズファンから「ウォー〜」と大歓声が送られ、お馴染みの「千隼、千隼」のコール。これからマウンドに上がる佐々木千隼を後押しした。
「久々に声援を感じたので、すごいい雰囲気だなと感じました」。新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年から3年間、声出し応援が禁止され、佐々木千隼がリリーフで大活躍した21年は拍手での応援だった。久しぶりにマリーンズファンの熱い声援を受けてのマウンド。佐々木千隼もファンの声援に応えるように、先頭の森友哉を1ボール1ストライクから117キロのスライダーで左飛に打ち取る。続く廣岡大志の初球、ファームで磨いてきたシュートをインコースに投げたが外れてボール。
「最近、シュートを投げ始めました。9月くらいから真っ直ぐよりシュートの方を投げています」。シュートを投げ始めたきっかけは「何かを変えたいなと思ったのと、大谷さんにアドバイスをもらったというのがありました」と、プロ野球という競争の激しい世界で生き抜くため、佐々木千隼はシュートに活路を見出そうとした。
9月22日の巨人二軍戦では、右打者のインコースに徹底的にシュートで攻めた。3-0の4回無死走者なしでオコエ瑠偉を1ストライクから投じた2球目のインコース142キロのシュートで二直に打ち取ると、続く菊田拡和に対しても2ボール2ストライクからインコースの143キロシュートで三ゴロに仕留めるなど、1回をわずか10球、三者凡退に抑えた。
シュートを投げ始めて、ストレートも145キロ前後を計測するなど、スピードがアップした。本人も「そうですね、真っ直ぐがちょっとスピードが出る感じなので、それをいいきっかけに真っ直ぐも速くなればいいなというのはありますね」と話した。
話しを6日のオリックス戦に戻す。廣岡に対し1ボールから投じた2球目の144キロの外角シュートでバットをへし折ったが、センター前に運ばれ、続く大城滉二に死球で一、二塁としてしまう。紅林弘太郎には1ボールとするも、2球目の142キロストレートが外角いっぱいに決まる。右打者の外角、左打者のインコースのストレートといえば、佐々木千隼がこれまでもこだわってきた部分。「あそこもシュートで投げられればいいなというのもあるんですけど、両方うまく使えていければいいかなと思います」。紅林を1ボール2ストライクから4球目の121キロスライダーで引っ掛けさせ遊併で試合を締めた。
今季の佐々木は開幕一軍を掴み1試合に登板するも、その後はファームで過ごしていた。走者がいない時にノーワインドアップで投げたり、チェンジアップ気味のシンカーが多かったりと試行錯誤し、ファームでも失点するケースが目立った。それでも9月はファームで「新しい球種、シュートをモノにしたいなと思ってやっていました」と必死に腕を振り、9試合・9イニングを投げて、2勝1セーブ、防御率0.00と結果を残し、一軍に上がってきた。
オリックス戦でシュートを投げたが一軍の打者と対戦してみて「まだ1試合なのでわからない部分がある」に留めたが、シュートをモノにできれば、来年は新しい佐々木千隼が見られるはずだ。とは言っても、まだシーズンは残り1試合、クライマックスシリーズに進めば、まだまだ試合はある。「どんな場面でもいける準備をして、どんな形でもいいので貢献したい」。シュートを自在に操り、自信を深めて今季を終えて欲しいところだ。
取材・文=岩下雄太
ロッテ・佐々木千隼は6日のオリックス戦(ZOZOマリンスタジアム)の12-1の9回に、約半年ぶりに一軍のマウンドに帰ってきた。佐々木千隼にとって今季、本拠地・ZOZOマリンスタジアムで初の公式戦登板。名前がコールされると、ライトスタンドのマリーンズファンから「ウォー〜」と大歓声が送られ、お馴染みの「千隼、千隼」のコール。これからマウンドに上がる佐々木千隼を後押しした。
「久々に声援を感じたので、すごいい雰囲気だなと感じました」。新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年から3年間、声出し応援が禁止され、佐々木千隼がリリーフで大活躍した21年は拍手での応援だった。久しぶりにマリーンズファンの熱い声援を受けてのマウンド。佐々木千隼もファンの声援に応えるように、先頭の森友哉を1ボール1ストライクから117キロのスライダーで左飛に打ち取る。続く廣岡大志の初球、ファームで磨いてきたシュートをインコースに投げたが外れてボール。
「最近、シュートを投げ始めました。9月くらいから真っ直ぐよりシュートの方を投げています」。シュートを投げ始めたきっかけは「何かを変えたいなと思ったのと、大谷さんにアドバイスをもらったというのがありました」と、プロ野球という競争の激しい世界で生き抜くため、佐々木千隼はシュートに活路を見出そうとした。
9月22日の巨人二軍戦では、右打者のインコースに徹底的にシュートで攻めた。3-0の4回無死走者なしでオコエ瑠偉を1ストライクから投じた2球目のインコース142キロのシュートで二直に打ち取ると、続く菊田拡和に対しても2ボール2ストライクからインコースの143キロシュートで三ゴロに仕留めるなど、1回をわずか10球、三者凡退に抑えた。
シュートを投げ始めて、ストレートも145キロ前後を計測するなど、スピードがアップした。本人も「そうですね、真っ直ぐがちょっとスピードが出る感じなので、それをいいきっかけに真っ直ぐも速くなればいいなというのはありますね」と話した。
話しを6日のオリックス戦に戻す。廣岡に対し1ボールから投じた2球目の144キロの外角シュートでバットをへし折ったが、センター前に運ばれ、続く大城滉二に死球で一、二塁としてしまう。紅林弘太郎には1ボールとするも、2球目の142キロストレートが外角いっぱいに決まる。右打者の外角、左打者のインコースのストレートといえば、佐々木千隼がこれまでもこだわってきた部分。「あそこもシュートで投げられればいいなというのもあるんですけど、両方うまく使えていければいいかなと思います」。紅林を1ボール2ストライクから4球目の121キロスライダーで引っ掛けさせ遊併で試合を締めた。
今季の佐々木は開幕一軍を掴み1試合に登板するも、その後はファームで過ごしていた。走者がいない時にノーワインドアップで投げたり、チェンジアップ気味のシンカーが多かったりと試行錯誤し、ファームでも失点するケースが目立った。それでも9月はファームで「新しい球種、シュートをモノにしたいなと思ってやっていました」と必死に腕を振り、9試合・9イニングを投げて、2勝1セーブ、防御率0.00と結果を残し、一軍に上がってきた。
オリックス戦でシュートを投げたが一軍の打者と対戦してみて「まだ1試合なのでわからない部分がある」に留めたが、シュートをモノにできれば、来年は新しい佐々木千隼が見られるはずだ。とは言っても、まだシーズンは残り1試合、クライマックスシリーズに進めば、まだまだ試合はある。「どんな場面でもいける準備をして、どんな形でもいいので貢献したい」。シュートを自在に操り、自信を深めて今季を終えて欲しいところだ。
取材・文=岩下雄太