50試合登板を達成
「毎年中継ぎで50試合投げたいというのを掲げているので、今年はそれを達成できるようにしたいです」。
開幕前の取材でこのように今季の目標について掲げていたロッテの坂本光士郎が6日のオリックス戦で、今季50試合目の登板を果たし、“50試合登板”の目標を達成した。
坂本はプロ5年目で自身初のシーズン50試合登板達成に「個人的な目標としてはすごく嬉しかったんですけど、やっとだなという感じでしたね」と振り返った。
開幕前の取材で50試合登板を達成するために必要なことについて坂本は「50試合投げるには体力が必要だと思うので、1年間戦える体力、回復するためにどうしなければいけないかというのを考えていかないといけないのでやっています」と話していたが、50登板を達成した翌7日のオリックス戦の試合前練習後の取材で、「トレーナーの方に親身になって治療してもらいましたし、個人的にもお休みの日とかは治療、体に時間を費やすようにしていました。そこが今回50試合につながったのかなと思います」と自己分析した。
これまでのシーズン自己最多登板はヤクルト時代の21年の36登板、昨季はヤクルトで7試合、移籍したロッテで7試合と合計14試合登板で、プロ入り後30試合以上投げたのも21年と今季の2度。長いシーズン、体的にきつかった時期などはあったのだろうかーー。
「夏場だったり、前半戦の終わりらへんとか体的にはきつかったな感じがあります」。
苦しかった時期を「なるべく睡眠を多めにとったり、交代浴をとったりしていました」と乗り越えた。
見事な火消し
50試合登板を達成した坂本は開幕からビハインド、イニングまたぎ、勝ちパターンなどさまざまな場面でマウンドに上がってきた。
9月30日の西武戦では4-4の9回一死満塁、鈴木将平に2ボール0ストライクという場面で守護神・益田直也の後を受けて登板ということもあった。
「すごく大事な場面だったので、どうにかゼロに抑えられたらなと思っていました」。リリーフカーに乗る坂本から絶対にこの場面を抑えてやるという覚悟が伝わってきた。「どんな場面でもいつも行く時は一緒なので、それがランナーがいたというだけであって、いつもと変わらない感じで投げました」。鈴木に対し初球のストレートが外れ3ボール0ストライクとなるも、ここからストレートで見逃し、ボール気味のストレートでファウルにさせ3ボール2ストライクにする。最後は151キロのストレートで空振り三振に仕留めた。続く外崎修汰も2ボール2ストライクからインコースのカットボールで空振り三振、満塁のピンチを二者連続三振で切り抜けた。
その後、チームは代打・石川慎吾の適時二塁打でサヨナラ勝ち。この勝利をきっかけにチームは再び勢いを取り戻し、9月30日の西武戦から5勝2敗と勝ち越し、10月2日には4位から再び3位に浮上した。坂本の見事な火消しからチーム状況は上がってきている。
50試合登板を達成し、次なる目標について坂本は「チームとしてクライマックスに出たいですし、クライマックスに勝って日本一も経験したいと思います」とCS進出、そして日本一を掲げた。「そのために僕ができることをやるだけだなと思います」。残り1試合、チームがCS進出するために、登板機会があれば、チームの勝利ため全力で役割を果たすはずだ。
取材・文=岩下雄太