再昇格後6試合連続無失点
「戻ってきてからはいい場面で使っていただくこともあったり、シーズンが終わりましたけど、まだCSもありますし調子はいいと思うので、そこを続けられるようにと思っています」。
ロッテ・中森俊介は、9月19日に再昇格してから6試合連続無失点でシーズンを終えた。
9月30日の西武戦では4-4の10回に登板し、西川愛也を2ボール2ストライクから5球目のチェンジアップで中飛、続く古賀悠斗を初球の149キロストレートで中飛、最後は岸潤一郎を3ボール2ストライクから外角の147キロストレートで見逃し三振に仕留めた。リズムよく三者凡退に抑え、その裏、石川慎吾の適時二塁打でサヨナラ勝ち。チームの勝利を手繰り寄せる好リリーフだった。
10月4日のオリックス戦では、1-1の6回に先発・美馬学がゴンザレスに2ランを浴び、なお一死一塁の場面で登板。「ランナーがいましたけど、ランナーを返したら点差が広がっちゃいますし、一気にムードがあっちに行っちゃうので、しっかり2人で切れたというのは良かったと思います」と、西野真弘をチェンジアップで空振り三振、若月健矢をスライダーで二ゴロに打ち取った。直後の7回に角中勝也、藤岡裕大の適時打で3点を奪い逆転に成功し、3勝目を手にした。
再昇格後の投球を見ていると、右バッターへの外角のストレート、スライダー、チェンジアップの抜けが良い。中森本人は「スライダーの感覚は良いと思います。チェンジアップはまだ全然自分の思い描いている軌道ではないんですけど、そのスライダーが結構曲がってくれてきている分、真っ直ぐも生きてきているのかなと思います」と自己分析。
再昇格後の投球内容が良い理由についても「間の使い方だったり、あとはスライダーの感覚が良くなってきたので、そこかなと思います」と説明した。
小野コーチとの振り返り
投球の振り返りも好投を支えるひとつになっている。
「振り返るのは投げた当日もそうですし、翌日に(小野)晋吾さんと振り返りもします。振り返ることで自分の良いところも再確認したり、課題はもちろんのことまだまだあるので、そこは1日ずつですけど課題克服できるようにと思って、振り返りをしているようにしています」。
課題克服というのは、9月24日の取材で「真っ直ぐの球威はもう少し欲しいなと感じますし、そこはやっていかないといけない」と話していたストレートなのだろうかーー。
「ストレートに関してはすぐに結果、球速が上がるとかというのは難しいので、そこはあまり考えないようにと言われていますし、自分的にもそう思ってやっています」。
昨年からの成長
シーズンの最終盤にリズムの良い投球で存在感を示した中森だが、昨年の今頃はZOZOマリンスタジアムの秋季練習、フェニックスリーグで投げ、一軍を目指す立場の選手だった。昨年の今頃、一軍の舞台で投げていると想像できていたのだろうかーー。
「今年に関しても全然投げられているという実感はないですし、イニング数も試合数も投げられていない。まだまだ見習いというかそういう立場。たくさん投げてチームに貢献してからだと思うので、まだまだ自分的には思っていないですね。去年と変わっていないです」。全く今の自身に満足しておらず、もっともっと向上していこうという姿勢が頼もしい。
「チームが勝つことが一番ですし、試合が終わる時に1点でも多くとっていたらいいので、僕たちピッチャーは1点もやらないように任されたところをしっかり抑えられるように頑張りたいと思います」。クライマックスシリーズでも登板する機会があれば、シーズン終盤に見せたテンポの良い投球で相手打線をねじ伏せていく。
取材・文=岩下雄太