ロッテ・西野勇士 (C)Kyodo News

◆ 若手に見劣らない働き

 「まだわからないですけど、そういうふうには動いているので。(先発・リリーフ)どちらでもいけるぞという感じですけど、先発のつもりで調整してきているので、今は先発の気持ちでいます。先発の競争が激しいですけど、競争に勝ってまだまだ負けるつもりもないですし、若手に見劣りしない成績を残したいなと思います」。

 ロッテの西野勇士は2月の春季キャンプ中に先発ローテーションを掴み、若手に負けないピッチングをしたいと意気込んでいたが、18試合・117イニングを投げて、8勝5敗、防御率2.69と“有言実行”の働きを見せた。

 「周りがどう思うかわからないですけど、(若手に)見劣りはしていないのかなと思います(笑)。中6日で回れていないというのもあるし、目標とするイニング、球数があったので、致し方ない部分はある。なんとも言えないですけど、投げている試合の内容だけ見たら見劣りしていないのかなと思っています」。

◆ シーズン通して理想の投球

 西野は20年6月29日に右肘のトミー・ジョン手術を受け、一軍に本格復帰した昨季はリリーフで37試合に登板して、3勝3敗15ホールド、防御率1.73と安定した投球を見せ、今季から本格的に先発に転向。

 「僕の中での先発の理想像があって、それはとにかくカウント、テンポ、そういうところを、もちろんランナーが出たらテンポというところの話は変わってくるかもしれないですけど、過程というか、試合の作り方はある程度理想がある」。

 「どんな相手でもそうなんですけど、カウントを自分有利で持っていけるような感じにしないといけないと思っている。後手後手にまわっていれば四球とかもそうですけど、自分が追い込まれていくので、投げる球がどんどんなくなっていくという悪循環みたいになってくる。とにかくストライク先行で」。

 自身が掲げる先発としての理想の投球をシーズン通して貫き通した。1試合の最多与四死球は8月3日の日本ハム戦の4つで、与四死球を3つ以上出した登板は18試合中わずかに2試合だけだった。5月20日の楽天戦では、9回・97球、3安打、1奪三振、1四球、1失点の省エネ投球で、19年9月7日のソフトバンク戦以来となる完投勝利を挙げた。

 シーズン通してストライク先行の投球でテンポ良く抑えることは「できたと思います。とにかくいろんな球種でカウントを取って、いろんな球種で最後打たせて取るという結果球にさせるというのが、ほとんど全部の球種でできたのでそこはよかったかなと思います」と振り返った。

◆ 大きく崩れた月がなかった要因

 西野はストライク先行の投球とともに、シーズン通して大きく崩れた月がなく、安定した投球を披露し続けた。

 「精神的な部分じゃないですけど、いろんな球種があって、どれが苦しくても頼れる球があった。それがよかったのかなと思います」。

 「たとえば真っ直ぐの調子が悪くてもシュートだったり、スライダーでかわすピッチングもできるし、フォークが調子が悪くてもいけるし見たいな、そういう何かがダメでも何かで補える球種が絶対2つはあったので、それがすごいよかったと思います」。

 8回・104球、4安打、4奪三振、2与四球、無失点に抑えた8月26日のオリックス戦では、「インサイドにツーシーム、シュートを投げて、スライダーも良かった。どの球でも抑えることのできる球だと思っているので、特にこれで決めようというボールはないというか、全部そう思って投げているし、それで結果的に打ち取れている。ツーシーム、スライダー、フォークとか、ある程度印象を崩しながらやれているのかなと思います」と、ツーシーム、スライダーを中心に抑え込んだ。

◆ 「1年間しっかり投げきれたのは良かった」

 トミー・ジョン手術を受けてから本格復帰2シーズン目となった今季、基本的には登板間隔を空けながらの先発となったが、大きな離脱することなく1年間を投げ抜いた。

 「すごく気を遣ってもらったところもあるし、そういう意味では味方にいろんな部分に助けられてはいるんですけど、1年間しっかり投げきれたというのはよかったなと思います」。

 今季で言えば石川歩、美馬学といった開幕前にローテーションの軸として期待されたと投手たちが故障や不振で苦しみ、佐々木朗希もシーズン途中に故障や体調不良で離脱した。その中で、西野が1年間投げたことはチームにとっても大きかった。

 「僕も年上の方なので、チームとして小島と種市、佐々木朗希にはもっと頑張ってもらいたいと思います。スポットライトを浴びるほどのピッチャーではないと自分では思っているので、そこははい。穴を埋める仕事ができてよかったなと思います」。

 来年の3月で33歳を迎えるが、進化を続ける右腕。来季も今季以上の活躍が期待される。「元々投げるイニング数はある程度目標が決まっていたので、それをとにかくクリアした。来年はよりイニング、球数を投げていけると思うので、そういう意味ではすごいよかったなと気がします」。来季は中6日で投げる試合を増やし、今季以上にチームの勝利に貢献してほしいところだ。

取材・文=岩下雄太

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岩下雄太

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