「球が浮いたりとか色んなボールがあったけど」
「SMBC日本シリーズ2023」の第4戦は、地元甲子園で阪神がサヨナラ勝ち。対戦成績を2勝2敗の五分に戻した。
阪神・才木浩人が苦しみながらもオリックスに流れを渡さぬピッチングを披露し、ゲームを作ったことも勝利の一因となった。
1回は三者凡退と最高の立ち上がりを見せるも、味方に先制してもらった直後の2回に紅林弘太郎のライト前打でいきなり同点に。しかし2回の攻撃では、二死一塁からしぶとく四球を選んで出塁すると、1番の近本光司の勝ち越しを呼び込んだ。その後は粘り強いピッチングを披露し、3回無死一・二塁では森友哉をショートゴロ併殺打、頓宮裕真を三振でねじ伏せると、4回の一死一・二塁かのピンチも廣岡大志と山崎福也を抑え込んだ。5回にも二死三塁のピンチも迎えるが、頓宮裕真を気持ちのこもった151キロストレートでファーストファールフライに打ち取り、渾身のガッツポーズを披露。5回を95球で1失点とリードを保ったまま役目を終えた。
1日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』でMCを努めた真中満氏は「少し球が浮いたりとか色んなボールがあったのですけれども、ある程度要所要所を抑えられたかな」と及第点評価。解説として出演した江本孟紀氏も「言う通りで低めと高めのボールがバラついていたよね。もうちょっと収まればよかったのですけど」としながらも「でも所々で高めのストレートを振らせたりして抑えているので、結果的に思い切りよく投げているのが良かったのではないですかね」と分析し「シーズン中なら6回、7回くらいまで投げさせてますよ。十分力はあったんだけど短期決戦ですからね」と本来ならまだ続投させるくらいの余力もあったとコメントした。
笘篠賢治氏は「真っ直ぐとフォークのピッチャーなのですが、フォークの精度は前半そんなに良くなかったのですけれども、キャッチャーの坂本(誠志郎)が1-1のカウントから真っ直ぐ行くんじゃなくてそこでフォークを使う。そこでバッターが少しエッていう感じで。うまく坂本がバッターが真っ直ぐ1本で来れないようにリードしたのではないかなと思いますよね」と女房役の舵取りも功を奏したと解説した。
途中指から出血しながらも粘りの投球を見せた才木浩人の男気は、最後の勝利につながったと言っても過言ではないだろう。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』