「湯浅を持ってきて一気に優勢になった」
甲子園で行われた「SMBC日本シリーズ2023」の第4戦は、阪神4-3でサヨナラ勝ち。連敗を2で止め、オリックスの王手を防いでみせた。
1点を争う終盤戦、岡田監督の執念のタクトにリリーフ陣が応えた。
3-3終盤の8回、7回一死一・二塁のピンチを断ち切った石井大智が回またぎでマウンドに上がったが、先頭の紅林弘太郎にセンター前ヒットを許すと、一死後廣岡大志との間でエンドランを決められ一・三塁。ここで中嶋監督は代打にT-岡田を送り出すと、岡田監督は左の島本浩也にスイッチ。すると代打の代打の安達了一を中嶋監督は指名するも島本はサードゴロに打ち取り、なおも二死一・三塁で岡田監督は再び動き湯浅京己をコール。6月以来一軍のマウンドで、中川圭太に低めの149キロストレートで勝負すると、打球はセカンドへの小飛球となり得点を許さなかった。
1日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説陣は、執念の継投に熱視線。7回に同点に追いつかれたあとを抑え込んだ石井大智に解説の江本孟紀氏は「こういう場面でシーズン中も出てきていたんですけど、今日の球が一番速かったんじゃないかなと思うくらい、気合の入った球でしたよ。めちゃくちゃ速いですよ」と絶賛。もう一人の解説者の笘篠賢治氏も「この日本シリーズの大舞台でレギュラーシーズン以上のボールを投げていました。シンカーでストライクも取れたし空振りも取れたのも大きかったですね。ここで勝ち越されなかった、同点で切り抜けたことでサヨナラになったようなピッチングでした」と称賛した。
また湯浅投入に笘篠氏は「ここでバットに当てさせない、三振が取れる部分を期待している湯浅なので、そこに賭けたのかなと」と起用の理由を説明した。
江本氏は「まさか使うとは思わなかった。あんな場面で使うとは。今日負けたら阪神キツイですよ。でも湯浅を持ってきて(抑えて)それで一気に優勢になった。今日は岡田監督の勝ちだね」と指揮官の用兵に脱帽。MCを努めた真中満氏も「阪神このまま勝つかなというような勢いを感じるような湯浅投手のピッチングでしたね」と流れを持ってきた湯浅を称えた。
岡田監督の勝負感が冴え勝利した阪神。このまま日本シリーズを制するのか。5戦目の勝負の行方からも目が離せない。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』