「ちゃんと投げていればアウトだった」
オリックスは先発・田嶋大樹が7回まで無失点に抑え、2点リードの8回から継投に入るも、2番手の山﨑颯一郎が先頭の8番・木浪聖也に内野安打を許すと、二塁・安達了一の送球エラーも重なり無死二塁のピンチを招いた。山﨑颯は代打・糸原健斗に左前打を許すと、続く1番・近本光司には右前適時打を浴び失点。続く中野拓夢に犠打を決められたところで降板となった。
1点リードの一死二・三塁で火消しを託された3番手の宇田川優希だったが、3番・森下翔太に痛打。追い込んだあとの低め直球を左中間へ弾き返され2-3と逆転された。宇田川は続く大山悠輔にも中前適時打を浴び、一死も奪ず降板。代わった阿部翔太も7番・坂本誠志郎に右越えの2点適時三塁打を許し、悪夢の一挙6失点で逆転負けとなった。
2日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』でMCを務めた野村弘樹氏は「8回の先頭の木浪のところで(記録は)ヒットと(送球)エラーになっていますが、(安達が)捕ってちゃんと投げていればアウトだったと思うんですよ。これがエラーだけじゃなくて二塁まで行かれてしまったというところで、阪神側の応援と球場が阪神が負けているのにオリックスが負けているような雰囲気に変わったんですよ」と振り返り、阪神の追い上げムードを一気に加速させてしまった痛いミスだったとの見解を示した。
解説の齊藤明雄氏も「甲子園独特の銀傘に声援が響いてオリックスの選手にプレッシャーを与え、山﨑颯一郎と宇田川のピッチングをちょっと狂わせたという感じですね」と語り、「山﨑颯一郎は近本にワンストライク取ったあとにカット気味のストレートを打たれたんですが、ほんとはもっとストレートに力があるんですけどね。やっぱり、3戦、4戦外れていたのでどこか故障があったのか、しっかりと投げているんですが、ベースの上で力がないというか本来の彼のストレートではなかったですね」と指摘。
同じく解説の館山昌平氏は「宇田川投手はフォークボールは制球できていたのですが、高めのストレートが制球できなかった。やっぱり、高めにストレートを投げることができないとフォークも生きてこないですし、ストレートが低めにいってしまうとどうしても打たれてしまいますよね」と、逆転打を許したピッチングを振り返った。
勝ちパターンの継投でまさかの逆転負けを喫したオリックスは崖っぷちに追い込まれた。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』