「勢いで流れを変えてくれるピッチャー」
「SMBC日本シリーズ2023」の第5戦は、阪神がオリックスに逆転勝利。甲子園ラストゲームを白星で飾り、日本一にあと1勝と迫った。
8回に一挙6点を奪う攻撃が決め手となった試合だが、それまで打線は田嶋大樹の前に散発の4安打に抑えられ、7回の失点もエラー絡み。嫌な雰囲気が甲子園を支配する中、流れを変えたのは8回にマウンドに上った湯浅京己だった。
2点ビハインドの中、この日先制ホームランを放っているマーウィン・ゴンザレスをセカンドゴロ、同じくマルチヒットの紅林弘太郎と、若月健矢を2者連続空振り三振に切って取る快投を披露。昨日も8回二死一・三塁の場面で登場し1球でピンチを切り抜けた剛腕が、結果的に眠れる猛虎打線を目覚めさせるきっかけを作った。
2日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に解説として出演した齊藤明雄氏は「昨年の湯浅が戻ってきたという感じですかね。今日は岡田監督は8回は湯浅で行くと決めていたんでしょうけれども、なにかムードを変えてくれる、投げているボールで守っている野手に気合を入れているようなボールを投げ込んでいるなと。真ん中近辺でも空振りが取れるので、流れを変えてくれる素晴らしいピッチャーですね」と称賛。
もう一人の解説者の館山昌平氏も「ストレートを“投げ込む”というのが一番の特徴だと思うんですよね。制球どうのこうのではなくて、勢いで流れを変えてくれるために岡田監督は出したと思うんですよね。2点ビハインドの場面でしたけれども、やっぱりこういったところで投げてくれるピッチャーだからこそ昨年もいい成績残しましたし、WBCにも入っていますし。スケールの大きいピッチャーですよね」と称えた。
MCを務めた野村弘樹氏も「昨日岡田監督が『湯浅を出すと雰囲気が変わると思って出した』とコメントしていましたが、今日もそうだったじゃないですか。館山さん仰るとおり、ストレートを投げるんじゃなくて“投げ込んで”いますよね。ピンポイントでこのボール打てるなら打ってみろというのが伝わってくるピッチャーなんで、ほぼ打たれないんですけど、打たれても気持ちよく感じるくらい投げっぷりのいいピッチャーですよ」と解説陣と同じく褒め上げていた。
連夜のゲームチェンジャーぶりを発揮した湯浅京己。日本一となるチームには、流れを変えるキーマン的存在が貴重となるものだ。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』