直近3年のパ打点王
近年パ・リーグは100打点を挙げるのが難しくなっているーー。というのも、2020年に中田翔(当時日本ハム)が108打点を挙げ、打点王のタイトルを獲得したのを最後に、パ・リーグでは“100打点”を越えてタイトルを獲得していない。
▼ 21年以降のパ・リーグ打点王
23年:87打点 近藤健介(ソフトバンク)
上記のように21年と22年は90打点台でタイトルを獲得し、今季自身初となる打点王に輝いた近藤健介(ソフトバンク)は87打点だった。今季は80打点以上挙げた選手も、近藤とチームメイトの柳田悠岐(ソフトバンク)の85打点だった。ちなみに80打点台でのタイトル獲得は、95年に80打点で打点王となったイチロー(当時オリックス)、田中幸雄(当時日本ハム)、初芝清(当時ロッテ)以来。
他球団のチーム打点トップを見ても、今季リーグ優勝したオリックスのチーム最多打点は森友哉の64打点、2位・ロッテはポランコの75打点、4位・楽天は浅村栄斗の78打点、5位・西武は54打点の外崎修汰、最下位の日本ハムは万波中正の74打点だった。リーグ制覇したオリックスはチーム最多打点が64打点で、西武に至っては54打点の外崎がチームトップとかなり寂しい数字だ。
各球団の最後の100打点以上挙げた選手
パ・リーグ各球団の最後に100打点以上挙げた選手を見ても、オリックス、ロッテ、ソフトバンクの3球団は令和に入ってから1人も100打点以上を挙げた選手がいない。ただ、ソフトバンクは87打点で近藤が打点王に輝いている。
令和でパ・リーグの打者で100打点以上挙げた選手は、19年の中村剛也(西武)、山川穂高(西武)、森友哉(当時西武)、20年の中田翔(当時日本ハム)、浅村栄斗(楽天)のわずか5人しかいない。そのうち中村、中田、浅村、森の4人は大阪桐蔭高校出身者で、移籍してしまったが浅村、森は西武でプレーした経験がある。
▼ 各球団最後に100打点以上挙げた選手
楽天:2020年 浅村栄斗(104打点)
日本ハム:2020年 中田翔(108打点)
西武:2019年 中村剛也(123打点)、山川穂高(120打点)、森友哉(105打点)
ソフトバンク:2018年 柳田悠岐(102打点)
ロッテ:2010年 井口資仁(103打点)
オリックス:2008年 ローズ(118打点)、カブレラ(104打点)
力のある投手が多いパ・リーグ
3年連続投手三冠に輝いた山本由伸(オリックス)をはじめ、宮城大弥(オリックス)、佐々木朗希(ロッテ)、高橋光成(西武)、平良海馬(西武)など力のある投手が多い。とはいっても00年代にもダルビッシュ有、田中将大、杉内俊哉、和田毅など各球団にエース級の投手が何人もいた時代はあった。
近年は“投高打低”が顕著に出るシーズンが続いている。打点だけでなく、打率を見ても3割を越えた選手が首位打者の頓宮裕真(オリックス)と近藤のみ。100打点を越えたからといってそれがリーグ優勝に必ずしも繋がるとは限らないが、打点王のタイトル争いももう少し高いところで競ってほしいところ。来季は投手陣を打ち崩す、本来の豪快なパ・リーグ野球が1試合でも多く見たいところだ。