ニュース 2023.11.27. 09:00

ロッテ・安田尚憲、オールスター初出場、シーズン最終盤に存在感も「課題も多く残ったシーズン」

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ロッテ・安田尚憲 (C) Kyodo News

オールスターに出場


 「やれたところもありますし、課題も多く残ったシーズンにはなったので、悔しさはもちろんあるシーズンでした」。

 ロッテの安田尚憲は、2020年以来3年ぶりに規定打席に到達したものの、打率.238、9本塁打、43打点だった。

 プロ5年目の昨季は前半戦を終えた時点で打率.247、2本塁打、15打点と物足りなさが残ったが、オールスター明けは打率.283、7本塁打、32打点と今季に期待の持てる内容で終えた。今年に入ってからも練習試合では打率.317(41-13)、1本塁打、4打点と、昨季からの良い流れを継続。開幕に向けてさらに勢いを加速させたいところだったが、オープン戦は打率.158(38-6)、1本塁打、4打点に終わった。

 「なかなか実戦的な感覚で良くなっていかなかったので、そこでの焦りというのはあったんですけど、もう1度自分のバッティングフォームを見つめ直して、徐々に良くなっていたのかなと思います」。

 自分の打撃を見つめ直し、状態を上げていった。安田の良い時は、左中間、右中間に打球が飛んでいる時。安田本人も「特にフライが出ている時よりも、ライナーが出ているときは状態が良い時だと思うので、その辺も意識しながら練習でやっています」と、4月22日のソフトバンク戦で大津亮介から放ったライトフェンス直撃の適時二塁打、4月26日の西武戦で隅田知一郎から打った左中間を破る二塁打はとても良かった。

 4月終了時点の打率は.275で、5月に入ってからも、24日の西武戦、5-0の3回無死一、三塁の第2打席、今井達也が2ボール2ストライクから投じた5球目のアウトコース150キロストレートを逆らわず左中間ラグーン席に放り込んだ本塁打は良かった。

 「あそこは狙って打った場面ではないんですけど、結果的にあそこに飛んでホームランになったというのは、すごく自分の中で収穫になった。今後もああいった打球が打てるように頑張っていけたらなと思います」。

 5月31日の巨人戦では「打てるところは変わらずアタックしていく。積極的な気持ちを忘れずにやっていきたい」と、戸郷翔征が3ボール0ストライクから投じた4球目の145キロストレートを打ちにいきファウルになるも、3ボール2ストライクからの6球目の148キロをバックスクリーンに放り込んだ。

 5月終了時点の打率は.282と上昇。前半戦の安田は好不調の波が小さく、安打が出なくても四球で出塁したり、犠牲フライを放つなど、最低限の役割を果たしていた。6月6日からのヤクルト3連戦は7打数0安打だったが、3試合で4つの四球を選び、犠牲フライを放った試合もあった。

 「まだまだシーズンが長いので、できるだけ調子を維持できるように最低限に(不調が)抑えられるように頑張っていきたい。毎日が日々新たにという気持ちで挑めています」

 6月は月間打率.194と落ち込んだが、7月に入って復調。6日の西武戦では6-6の10回二死二、三塁の第5打席、佐々木健が1ボールから投じたツーシームをセンター前に弾き返すサヨナラ打。自身初となるオールスター出場も果たした。

 オールスターでは「いろんなバッター、先輩方と話ができましたし、リーグを代表する選手たちが集まっていたので、たくさん勉強になりました。どの選手に聞いても自分の技術、感覚を確立している選手が多かったので、自分の中での感覚を大切にしないといけないと思います」と充実の時間になった。

 「交流戦で少し苦しんだ部分がありましたけど、リーグ戦に再開して順調にいけていると思うので、ここからもう少しギアを上げて頑張れたらと思います」。

 勝負の後半戦に突入した。


8月以降は打撃不振も…


 オールスター明けも7月23日のソフトバンク戦、3-3の10回二死満塁の第6打席、津森宥紀が1ボール1ストライクから投じた真ん中のスライダーをライト前に弾き返すサヨナラ打を放ち、26日の西武戦では2-5の8回二死一、三塁の第4打席、平井克典に対して2球で簡単に追い込まれるも、そこからボールを見極め6球目の146キロストレートを見送り四球を選んだ。

 後半戦もさらなる活躍が期待された中で、8月の月間打率は.153、0本塁打、4打点と苦しんだ。

 「8月は全然ダメなのでもう少しなんとかしないとなと思います」。

 ブロッソ―が途中加入し、8月は一塁で出場することが多くなった。慣れ親しんだ三塁から一塁での出場となったことも、打撃の状態に関係しているのだろうかーー。

 「僕はそこは関係ないと思っていますけど、シンプルに技術的な部分を改善しないといけないところがありましたし、その辺は8月苦しんだ部分かなと思います」。ポジションが変更になったことを言い訳することなく、技術不足だと自己分析した。

 ただ苦しみながらも、積極的に初球から打ちに姿勢は変わらずに見られた。

 「積極的にいくのはもちろん大事なんですけど、積極性の履き違いをなくして、打たなくていいボールは打たなくていいという感じでいきたいと思います」。

 「8月は結果を残さないといけないという焦りがありつつ、打つべきボール、打たなくていいボール、何でもかんでも振っていたところがあるので、その辺は修正してやっていけたらなと思います」。

 打撃フォームも8月30日の日本ハム戦からバットを担ぎ気味の構えに変わった。

 「それは監督、コーチのアドバイスもあって担いで、構えてみようという話になりました」。8月30日の日本ハム戦では0-1の4回二死三塁の第2打席、ポンセが3ボール2ストライクから投じたカーブを早速ライト前に同点となる適時打を放ち、同日の9回の第4打席も打ち取られたが、田中正義のストレートを捉えたあたりの左飛だった。

 「8月30日の日本ハム戦はいい感じで打てたので、この感じを継続してちょっとやっていこうかなという感じです」。

 しかし、勝負の9月に入っても安田のバットからなかなか快音が響かない。「8月、9月は色々と調子も良くなかったので、コーチの方と話しながら色々試行錯誤していたんですけど、もう1回戻してみようということで前半の時に形に戻しました」と、打撃フォームを前半戦の打ち方に戻すなど試行錯誤。

 「結果が出ていないので、焦りはもちろんありますし、打たなくていいボールを振っている部分もある。そこをアグレッシブにいく部分と、冷静にいく部分を持って向かっていきたいと思います」。

 それでも、9月18日の西武戦では0-1の9回二死一塁の第4打席、クリスキーが投じた1ボールからの2球目の152キロをライト前に弾き返す貴重な同点適時打を放てば、9月19日のオリックス戦では守護神・平野佳寿が2ボール1ストライクから投じた4球目の外角148キロのストレートを左中間スタンドへ放り込んだ。

 復調の兆しを見せた中で、特例2023で9月25日に一軍登録を抹消されたが、一軍復帰した10月3日の西武戦では復帰後初打席でセンター前に安打を放ち、第2、3打席は四球を選んだ。1-4の8回無死一塁の第4打席は、一併に倒れたが、捉えた痛烈な当たりだった。

 そしてクライマックスシリーズ進出へ絶対に負けが許されないシーズン最終戦となった10月10日の楽天戦ではシーズン自己最多タイとなる第9号ソロを放てば、CSではソフトバンクとのファーストステージ第1戦で2安打2打点、3戦目には途中出場してサヨナラ打を含む2安打、オリックスとのファイナルステージでも第2戦に2安打3打点と勝負強さを発揮し、良い形で2023年を終えた。。


来季に向けて


 改めてシーズンを振り返り、前半戦と後半戦で何か違ったことがあったのか訊くと、「8月くらいから調子を崩してそこからなかなか自分のスイング、メンタル的にもブレがあって調子を落として、8月、9月は勿体無いシーズンだった。そこを乗り切れるようにというのは今の課題です」と反省。

 9月途中に打撃フォームを戻して復調し、CSでも良い働きを見せた。「福浦コーチとも話しながら8月9月は疲れもあったし、打てないというのもあったしで、体が固く、固めて構えるようになっているという話になって、自然体にペッパーというくらいの感じで構えようとなりました。そこからいい感じにスイングができていた。CSを含めていいスイングができたんじゃないかなと思います」と振り返った。

 真のレギュラーになるためには“好不調の波”をいかに小さくするかーー。そこは難しいのだろうか。

 「簡単じゃないと思いますし、それができている選手が一流の選手。一瞬、良いとか1カ月良い選手はいると思うんですけど、それを1年間ずっとできる選手がいい選手なのかなと思います」。

 安定した打撃をするために必要なことについて安田は「体の強さももちろんそうですけど、メンタルの強さ、メンタル的な切り替えの速さ、数字に左右されないというか、打率とかそういったところで左右されないメンタルのトレーニング、この1、2年ずっとやっているところではあるんですけど、そこでの切り替え方をうまくできたらなと思います」と分析する。

 来季こそはバットでチームを引っ張るような存在になってほしいところ。「チームを引っ張っていて、1年間トータルで結果を残して頑張っていけたらなと思っています」。

取材・文=岩下雄太

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