ロッテの東條大樹は8月4日の楽天戦でプロ初セーブを挙げたが、シーズントータルで見ると11試合に登板して、2ホールド、1セーブ、防御率7.45と悔しい1年になった。
プロ7年目の昨季「キャリアハイを出せたら」と話し、ビハインドゲームで結果を残していき、シーズン途中から勝ち試合の7回を任されるなど、自己最多の59試合、30ホールドと、有言実行の働きを見せた。シーズン終了後の昨年10月4日に右足関節の手術(鏡視下右足関節後方遊離体切除術・鏡視下右足関節外側骨棘切除術及び外側靭帯修復術)を行った。
吉井理人監督が就任した今季、さらなる活躍が期待された中で、練習試合、オープン戦から一軍登板が1度もなく、開幕は二軍スタート。ファームでは、4月6日のヤクルト戦から4月28日のDeNA戦にかけて6試合連続失点と不安定な投球が続く時期もあったが、5月21日のDeNA戦から6月15日の西武戦にかけて7試合連続無失点に抑えた。
投球が安定してきた要因に当時、「体が馴染んできた感じもあります」と自己分析し、ストレートに関しても「自分が投げている感じが、良くはなっていると思います」と手応えを掴んだ。
変化球では昨年120キロ台のカーブを投げることが多かったが、今季は110キロ台のカーブを投げているように見えた。カーブについては「特に変えていないですね」とのこと。「使い方としては去年と変わっていないですね」と話すように、6月8日の楽天戦では、0-4の9回一死走者なしで西川遥輝に対して、初球116キロのカーブでストライクを奪うなど、早いカウントで投げるカーブが投球の良いアクセントになっている。追い込んでから西川を空振り三振に仕留めた“伝家の宝刀”スライダーも素晴らしかった。
「状態だけ上げていければ」、「準備をしておけば、いいかなという感じです」と東條。いつ一軍から呼ばれてもいいようにファームで腕を振り続け、8月2日に今季初昇格。
同日の日本ハム戦、5-8の6回に登板。「いい感じで入れたのかなと思います」。先頭の松本剛を1球目、2球目ともに147キロのストレートで追い込み、最後は外角131キロのスライダーで空振り三振。続く清宮幸太郎を1ボール2ストライクから4球目の147キロストレートで空振り三振、万波中正を2ボール1ストライクから4球目の147キロストレートで一邪飛。
「どっちも良くなったから、相乗効果でさらに良くなったというのはあると思います。片方良くなって、もう片方良くなって、どんどん良くなったというのはありますね」と、力強いストレートと右打者に外角のスライダーで牛耳った。
8月4日の楽天戦では5-3の9回に登板。昨季は勝ち試合で投げていたとはいえ、勝ち試合の9回のマウンド。7回、8回との違いや、緊張感などはあったのだろうかーー。
「あの時は特にそんな感じなかったですね。いつも通り入れたというのはあります」。
先頭のフランコを131キロ外角に逃げるスライダーで空振り三振、続く西川を131キロのスライダーで見逃し三振、代打・辰己涼介を1ストライクから2球目の137キロシンカーで一ゴロに打ち取り、プロ初セーブを記録。
ブルペンを担当する小野晋吾コーチは同日の楽天戦の東條の投球に、「ちょっとイレギュラーなこともあって準備がえらい早いな、緊張しているのかなと思うところはあったのですが、ちょっと東條が勘違いしていたというか、それで準備が早くなったというのはありました。でも、そこからしっかりいつも通りの準備で9回も変わらずにいいピッチングをしてくれました」と評価した。
東條は続く8月12日の西武戦から3試合連続失点があったものの、8月25日のオリックス戦から4試合連続で無失点。
8月31日の日本ハム戦では、4-3の5回に先発・メルセデスが二死一、三塁から上川畑大悟にセンター前に同点の適時打を浴び、なお二死一、二塁という場面で東條がマウンドに上がり、野村佑希を1ストライクから2球目の131キロスライダーで一邪飛、相手の勢いを止める好リリーフを見せた。
9月3日の楽天戦、9日のオリックス戦で2試合連続失点すると、9月10日に一軍登録を抹消。再びファームで調整となったが、10月19日に再昇格。同日のオリックスとのCSファイナルステージ第2戦、4-5の8回に登板し、1回を無失点。一死二塁で福田周平に対し3ボール0ストライクから4球目の147キロストレート見逃し、5球目の130キロスライダー見逃し、6球目のバックドア129キロスライダーで見逃し三振に仕留めたのはよかった。
シーズンが終了した後のZOZOマリンスタジアムで行われた秋季練習にも参加した。西村天裕、坂本光士郎など移籍組の活躍が目立ったが、来季は生え抜き組の意地にも期待したい。
取材・文=岩下雄太
プロ7年目の昨季「キャリアハイを出せたら」と話し、ビハインドゲームで結果を残していき、シーズン途中から勝ち試合の7回を任されるなど、自己最多の59試合、30ホールドと、有言実行の働きを見せた。シーズン終了後の昨年10月4日に右足関節の手術(鏡視下右足関節後方遊離体切除術・鏡視下右足関節外側骨棘切除術及び外側靭帯修復術)を行った。
吉井理人監督が就任した今季、さらなる活躍が期待された中で、練習試合、オープン戦から一軍登板が1度もなく、開幕は二軍スタート。ファームでは、4月6日のヤクルト戦から4月28日のDeNA戦にかけて6試合連続失点と不安定な投球が続く時期もあったが、5月21日のDeNA戦から6月15日の西武戦にかけて7試合連続無失点に抑えた。
投球が安定してきた要因に当時、「体が馴染んできた感じもあります」と自己分析し、ストレートに関しても「自分が投げている感じが、良くはなっていると思います」と手応えを掴んだ。
変化球では昨年120キロ台のカーブを投げることが多かったが、今季は110キロ台のカーブを投げているように見えた。カーブについては「特に変えていないですね」とのこと。「使い方としては去年と変わっていないですね」と話すように、6月8日の楽天戦では、0-4の9回一死走者なしで西川遥輝に対して、初球116キロのカーブでストライクを奪うなど、早いカウントで投げるカーブが投球の良いアクセントになっている。追い込んでから西川を空振り三振に仕留めた“伝家の宝刀”スライダーも素晴らしかった。
「状態だけ上げていければ」、「準備をしておけば、いいかなという感じです」と東條。いつ一軍から呼ばれてもいいようにファームで腕を振り続け、8月2日に今季初昇格。
同日の日本ハム戦、5-8の6回に登板。「いい感じで入れたのかなと思います」。先頭の松本剛を1球目、2球目ともに147キロのストレートで追い込み、最後は外角131キロのスライダーで空振り三振。続く清宮幸太郎を1ボール2ストライクから4球目の147キロストレートで空振り三振、万波中正を2ボール1ストライクから4球目の147キロストレートで一邪飛。
「どっちも良くなったから、相乗効果でさらに良くなったというのはあると思います。片方良くなって、もう片方良くなって、どんどん良くなったというのはありますね」と、力強いストレートと右打者に外角のスライダーで牛耳った。
8月4日の楽天戦では5-3の9回に登板。昨季は勝ち試合で投げていたとはいえ、勝ち試合の9回のマウンド。7回、8回との違いや、緊張感などはあったのだろうかーー。
「あの時は特にそんな感じなかったですね。いつも通り入れたというのはあります」。
先頭のフランコを131キロ外角に逃げるスライダーで空振り三振、続く西川を131キロのスライダーで見逃し三振、代打・辰己涼介を1ストライクから2球目の137キロシンカーで一ゴロに打ち取り、プロ初セーブを記録。
ブルペンを担当する小野晋吾コーチは同日の楽天戦の東條の投球に、「ちょっとイレギュラーなこともあって準備がえらい早いな、緊張しているのかなと思うところはあったのですが、ちょっと東條が勘違いしていたというか、それで準備が早くなったというのはありました。でも、そこからしっかりいつも通りの準備で9回も変わらずにいいピッチングをしてくれました」と評価した。
東條は続く8月12日の西武戦から3試合連続失点があったものの、8月25日のオリックス戦から4試合連続で無失点。
8月31日の日本ハム戦では、4-3の5回に先発・メルセデスが二死一、三塁から上川畑大悟にセンター前に同点の適時打を浴び、なお二死一、二塁という場面で東條がマウンドに上がり、野村佑希を1ストライクから2球目の131キロスライダーで一邪飛、相手の勢いを止める好リリーフを見せた。
9月3日の楽天戦、9日のオリックス戦で2試合連続失点すると、9月10日に一軍登録を抹消。再びファームで調整となったが、10月19日に再昇格。同日のオリックスとのCSファイナルステージ第2戦、4-5の8回に登板し、1回を無失点。一死二塁で福田周平に対し3ボール0ストライクから4球目の147キロストレート見逃し、5球目の130キロスライダー見逃し、6球目のバックドア129キロスライダーで見逃し三振に仕留めたのはよかった。
シーズンが終了した後のZOZOマリンスタジアムで行われた秋季練習にも参加した。西村天裕、坂本光士郎など移籍組の活躍が目立ったが、来季は生え抜き組の意地にも期待したい。
取材・文=岩下雄太