「初めて一軍を経験させてもらって、自分のやっていかなければいけないこと、課題がさらに明確になったというか、来年に向けて目標がちゃんと出来たシーズンだったですね」。
ロッテの植田将太はプロ4年目の今季、一軍初出場を含む4試合に出場した。
植田は昨年11月に行われたZOZOマリンスタジアムでの秋季練習中、金澤岳バッテリーコーチと、時にマンツーマンで1時間以上守備練習を行う姿があった。
シーズンオフは「守備ではスローイングの球の強さを出すというところを意識してやってきました。打撃ではタイミングの間の取り方、軸足の感覚を大事にして取り組んできました」と攻守に徹底的に鍛えてきた。
今季は吉井理人監督となり、これまで一軍での出場機会のなかった若手選手にとっては絶好のチャンス。
「今年1年は勝負だと思っているので、これからのオープン戦からもどんどんアピールしてなんとかレギュラー目指してやっていこうかなと思います」。
植田は2月14日から始まった沖縄本島、高知、宮崎と、一軍の遠征メンバーに選ばれ、2月11日の楽天モンキーズとの国際交流試合から含めると一軍の対外試合に9試合に出場したが、3月のオープン戦は出場なし。開幕を二軍で迎えた。「バッティングはとにかく自分の形でしっかり振れるように強い打球を打てるようにと意識していました。守備はピッチャー、良いボール、良い特徴を出せるようにやっていました」。ファームでは課題の打撃でも5月10日のヤクルトとの二軍戦で4安打するなど、5月の月間打率は.324、守っても投手陣を好リードし、5月30日にプロ初昇格。
「試合始まる前の雰囲気というか、そこはすごく緊張したんですけど、実際試合始まったらそこまで緊張はせずにできたかなと思います」。
6月1日の巨人戦で『9番・捕手』でプロ初出場を果たすも、ファームでもバッテリーを組んできたカスティーヨを3回3失点、3回の第1打席、空振り三振に倒れ、4回に回ってきた2打席目に代打を送られ交代となった。6月10日の広島戦でも先発出場し、先発・本前郁也を5回3失点にまとめるリード。植田は6月13日の中日戦、DeNA戦で、守備から途中出場したが、6月19日に一軍登録を抹消。
一軍の試合に出場して「技術的なところはもっともっとやらないといけないと思いますし、キャッチャーとしてピッチャーを強気に引っ張っていけるようなリードができたらいいかなと思います」と課題点を口にした。
今季はその後、一軍昇格することはなかったが、守備面に関して「ピッチャーとコミュニケーションを取りながら、僕の中でピンチになった時の僕のキャッチャーとしての立ち振る舞い、リード的にも逃げのリードではなくて、ピッチャーの強みを活かしてというところを心がけてできたかなと思います」と一軍で経験したことをファームの実戦でしっかりと活かした。
バットでは降格直後の24日の楽天二軍戦から3試合連続で複数安打、10月1日のDeNA二軍戦では1試合に4打点と、ファームでは打率.253、3本塁打、18打点、得点圏打率.355の成績を残した。
「率は年々よくはなっているんですけど、まだ自分が納得いく形にはなっていないと思うので、まだまだやっていかなきゃいけないなという印象ですね」。
納得のいく形になっていない部分について植田は「ミスショットが多いというのもそうですし、たとえばヒットが出たとしても、今の打ち方だと次対戦した時に撃てないなとか、細かい部分がだんだん見えてきたので、そこは少し成長しているのかなと思います」と振り返った。
シーズンが終わった後、ZOZOマリンスタジアムで行われた秋季練習では「全体のレベルアップというか、まだまだやらなければいけないので、もっとスケールをアップできるようにやっていっています」と攻守のレベルアップを掲げ、取り組んだ。
11月7日の秋季練習では、風速15m以上の強風の中行われ、キャッチャーフライ練習では体勢を崩されながらも何度もキャッチ。「フライ練習をしたんですけど、本当に初めての感覚でしたね。屋根の上を越えてからの打球と屋根をすぎてからの軌道というのが全く違うので、そこの判断は難しいなと思いました。こんなに風が強い中でやるのは初めてだったので、浦和とは全く違う感覚でしたね」と、マリンスタジアムの強風を初めて経験した。
秋季練習とはいえ、なかなか強風の中での練習はない。公式戦を想定して練習していたのだろうかーー。
「不安にはなるとは思うんですけど、練習で経験して不安なくゲームに入っていくというのと、試合の中では本当に思い切ってやるだけだと思うので、そこを割り切って入れるように練習で準備していけるようにしていますね」。
スローイングについては「ボールが伸びてくれたのでいつもよりは低めのボールでも届くので、そこに合わせる感覚というのも練習になりました」と振り返った。
「最後ホームランを打って終わるようにしています」と、全体の打撃練習の最後は本塁打を打って終えることが多かった。その理由について植田は「その日のまとめじゃないですけど、一番良い形で打たないとホームランにならないと思うので、最後良い形で終えられるように意識してやっています」とのことだ。秋季練習最終日となった11月16日の練習も、「最後ホームラン打って終わりと決めてから1球で終われたので、そこは秋季練習始めて初めてだったので、ちゃんと少しずつ成長しているというのを感じました」と、本塁打でグラウンドでの全練習が終了した。植田は秋季練習について「充実してしっかり追い込めて出来ましたね」と振り返った。
来季はプロ5年目になる。田村龍弘、佐藤都志也、松川虎生、柿沼友哉と一軍の枠を争う捕手の競争は熾烈だ。「まずは守備で。100%植田やったら大丈夫やなと思ってもらえるくらいのプレーをしないといけないと思いますし、それに加えて打撃でもっと結果を残せたらなと思っています」と意気込む。
「12月も1月もずっと自主トレをやると思っているので、この2カ月が大事だと思うので、少しでもレベルアップできるようにひたすら練習していきます。来年は1年間一軍で最前線でずっと戦える選手でいたいなと思います」。競争を勝ち抜き、一軍で居場所を掴むことができるか注目だ。
取材・文=岩下雄太
ロッテの植田将太はプロ4年目の今季、一軍初出場を含む4試合に出場した。
プロ初出場
シーズンオフは「守備ではスローイングの球の強さを出すというところを意識してやってきました。打撃ではタイミングの間の取り方、軸足の感覚を大事にして取り組んできました」と攻守に徹底的に鍛えてきた。
今季は吉井理人監督となり、これまで一軍での出場機会のなかった若手選手にとっては絶好のチャンス。
「今年1年は勝負だと思っているので、これからのオープン戦からもどんどんアピールしてなんとかレギュラー目指してやっていこうかなと思います」。
植田は2月14日から始まった沖縄本島、高知、宮崎と、一軍の遠征メンバーに選ばれ、2月11日の楽天モンキーズとの国際交流試合から含めると一軍の対外試合に9試合に出場したが、3月のオープン戦は出場なし。開幕を二軍で迎えた。「バッティングはとにかく自分の形でしっかり振れるように強い打球を打てるようにと意識していました。守備はピッチャー、良いボール、良い特徴を出せるようにやっていました」。ファームでは課題の打撃でも5月10日のヤクルトとの二軍戦で4安打するなど、5月の月間打率は.324、守っても投手陣を好リードし、5月30日にプロ初昇格。
「試合始まる前の雰囲気というか、そこはすごく緊張したんですけど、実際試合始まったらそこまで緊張はせずにできたかなと思います」。
6月1日の巨人戦で『9番・捕手』でプロ初出場を果たすも、ファームでもバッテリーを組んできたカスティーヨを3回3失点、3回の第1打席、空振り三振に倒れ、4回に回ってきた2打席目に代打を送られ交代となった。6月10日の広島戦でも先発出場し、先発・本前郁也を5回3失点にまとめるリード。植田は6月13日の中日戦、DeNA戦で、守備から途中出場したが、6月19日に一軍登録を抹消。
一軍の試合に出場して「技術的なところはもっともっとやらないといけないと思いますし、キャッチャーとしてピッチャーを強気に引っ張っていけるようなリードができたらいいかなと思います」と課題点を口にした。
今季はその後、一軍昇格することはなかったが、守備面に関して「ピッチャーとコミュニケーションを取りながら、僕の中でピンチになった時の僕のキャッチャーとしての立ち振る舞い、リード的にも逃げのリードではなくて、ピッチャーの強みを活かしてというところを心がけてできたかなと思います」と一軍で経験したことをファームの実戦でしっかりと活かした。
バットでは降格直後の24日の楽天二軍戦から3試合連続で複数安打、10月1日のDeNA二軍戦では1試合に4打点と、ファームでは打率.253、3本塁打、18打点、得点圏打率.355の成績を残した。
「率は年々よくはなっているんですけど、まだ自分が納得いく形にはなっていないと思うので、まだまだやっていかなきゃいけないなという印象ですね」。
納得のいく形になっていない部分について植田は「ミスショットが多いというのもそうですし、たとえばヒットが出たとしても、今の打ち方だと次対戦した時に撃てないなとか、細かい部分がだんだん見えてきたので、そこは少し成長しているのかなと思います」と振り返った。
目的をしっかり持って秋季練習
シーズンが終わった後、ZOZOマリンスタジアムで行われた秋季練習では「全体のレベルアップというか、まだまだやらなければいけないので、もっとスケールをアップできるようにやっていっています」と攻守のレベルアップを掲げ、取り組んだ。
11月7日の秋季練習では、風速15m以上の強風の中行われ、キャッチャーフライ練習では体勢を崩されながらも何度もキャッチ。「フライ練習をしたんですけど、本当に初めての感覚でしたね。屋根の上を越えてからの打球と屋根をすぎてからの軌道というのが全く違うので、そこの判断は難しいなと思いました。こんなに風が強い中でやるのは初めてだったので、浦和とは全く違う感覚でしたね」と、マリンスタジアムの強風を初めて経験した。
秋季練習とはいえ、なかなか強風の中での練習はない。公式戦を想定して練習していたのだろうかーー。
「不安にはなるとは思うんですけど、練習で経験して不安なくゲームに入っていくというのと、試合の中では本当に思い切ってやるだけだと思うので、そこを割り切って入れるように練習で準備していけるようにしていますね」。
スローイングについては「ボールが伸びてくれたのでいつもよりは低めのボールでも届くので、そこに合わせる感覚というのも練習になりました」と振り返った。
「最後ホームランを打って終わるようにしています」と、全体の打撃練習の最後は本塁打を打って終えることが多かった。その理由について植田は「その日のまとめじゃないですけど、一番良い形で打たないとホームランにならないと思うので、最後良い形で終えられるように意識してやっています」とのことだ。秋季練習最終日となった11月16日の練習も、「最後ホームラン打って終わりと決めてから1球で終われたので、そこは秋季練習始めて初めてだったので、ちゃんと少しずつ成長しているというのを感じました」と、本塁打でグラウンドでの全練習が終了した。植田は秋季練習について「充実してしっかり追い込めて出来ましたね」と振り返った。
来季はプロ5年目になる。田村龍弘、佐藤都志也、松川虎生、柿沼友哉と一軍の枠を争う捕手の競争は熾烈だ。「まずは守備で。100%植田やったら大丈夫やなと思ってもらえるくらいのプレーをしないといけないと思いますし、それに加えて打撃でもっと結果を残せたらなと思っています」と意気込む。
「12月も1月もずっと自主トレをやると思っているので、この2カ月が大事だと思うので、少しでもレベルアップできるようにひたすら練習していきます。来年は1年間一軍で最前線でずっと戦える選手でいたいなと思います」。競争を勝ち抜き、一軍で居場所を掴むことができるか注目だ。
取材・文=岩下雄太