自主トレを公開
ロッテの種市篤暉が22日、ZOZOマリンスタジアムで自主トレを公開した。
キャッチボールでは、力強い球を柿沼友哉捕手相手に投げ込んでいたが、気になったのは、昨年に比べてグローブの使い方が変わっていたこと。種市本人に確認すると、「(グローブの使い方も)そうですし、足の上げ方も変えました。あとは動画を見ながら、もうちょっと最小限の力で最大の力を発揮できるようにしたいなと思います」と教えてくれた。
時折、スラーブ気味のスライダーを投げていたのも気になった。昨年3月25日の中日とのオープン戦で、カウント球でスラーブ気味のスライダーを多く投げていたが、同年4月15日の取材で「コントロールできていなかった」話し、シーズンに入ってからはスラーブ気味のスライダーをあまり投げていなかった。スライダーについて種市は「スライダー自体、今日投げたのが初めてだったので、“試し”みたいな感じですね」とのことだ。
キャッチボールが終わった後、ショートのポジションで柿沼友哉、小川龍成とともにショートのポジションでノックを受けた。
体力の貯金は?
種市は昨年シーズン終了後にZOZOマリンスタジアムで行われた秋季練習中の取材で「1年間通して思ったのが、シーズン中盤、終盤くらいにかけて試合の方がメインになってくる。体力回復、コンディショニングの部分が多くなってくるので、ウエイトの量も絶対落ちてきますし、その中でやっぱり筋量をキープするのがきつかったなと個人的に思いました。なので、オフシーズンに貯金を作ってシーズン前半キープしながら、後半ちょっと落としていければ良いかなと個人的に思っています」と話していた。
12、1月の自主トレを通して種市は「ウエイト的にも重量をだいぶ上げられてきていますし、体の数値も良くなっているので、そこは続けていきたいです。何が上がったと言われたら、技術面は投げないとつかないと思っているので、キャンプ、今の時期にもうちょっと色々突き詰めていければなと思います」と話した。
同じく昨年秋の取材で「個人的にもうちょっと中5日で投げたいなというのはあります」とも話していた。ここまで、1年間投げ抜くための体力、完投数を増やすための体力、中5日で投げるための体力、貯金を順調に作れているのだろうかーー。
「だいぶ順調にというか、中5日で投げたいというのは僕の願望なんですけど、はい」。筆者が取材していてもプロ初勝利を含む8勝を挙げた2019年の1月がここ数年では一番充実した表情に見えたが、今年は2019年の時よりもさらに良い表情に感じられた。
春季キャンプスタートとなる2月1日まで2週間を切った。自分自身にワクワクした状態で春季キャンプを迎えられそうなのだろうかーー。「ワクワクというか、ワクワクか、色々勉強しながら自分の感覚と知識を確かめ合いながらやりたいと思います」。最後に昨年11月取材したときに「獲れるなら全部獲りたい」とタイトル獲得に意欲を見せていたが、年が明けてもその考えは変わらないか訊くと、「変わらないです」とキッパリ。続けて沢村賞受賞となれば、球団史上初の快挙になると教えると、「そうなんですか!」と返ってきた。
新人時代から変わらず、向上心、探究心を常に持ち続けている種市。このシーズンオフも、自分がやるべきこと、やりたいことをしっかりとやれているように言葉の節々から感じた。今年もマリーンズファンをワクワクさせてくれることは間違いないだろう。
取材・文=岩下雄太