実戦での左投手の打率.800
ロッテの茶谷健太が今年も“左キラー”ぶりを発揮しそうな予感だ。
22年左投手の打率.350(40-14)、昨季も左投手の打率が.375(56-21)と左投手に無類の強さを見せた。昨季の取材で本人は「(左投手に)得意とかはないですけど、たまたまそういう結果になっている。特にいいとか嫌だとかはないです」とコメント。
今年も左投手に対して、15日のヤクルトとの練習試合で山本大貴に一ゴロに打ち取られたが、11日の紅白戦で鈴木昭汰からセンター前に適時打、17日の広島との練習試合では黒原拓未から中安、玉村昇悟から右安、18日のDeNAとの練習試合でも左の坂本裕哉からレフト前に安打を放った。紅白戦を含めると左投手に対して5打数4安打、打率.800だ。
「もっと試合に出たい」
「本当に全く打てない時期に出させてもらったので、そこが全てかなと思います。それが後にもつながっている」。
茶谷はプロ8年目の昨季、6月の月間打率.100と苦しみながらも、オールスター以降は打率.350(60-21)と復調。初めて開幕から最後まで一軍で戦い抜き、シーズン自己最多の79試合に出場して打率.284をマークした。初めて一軍を完走し、「もっと試合に出たいなという気持ちがすごくありました」と、心理面での変化があった。
シーズンオフの自主トレは「バッティングでは、センター方向中心でやっているので、形は変えずにです」と、22年8月に結果が出なかった時に、“センター方向”への打撃を意識し復調したのをきっかけに、“センター返し”の意識を継続する。
それにプラス、「やり始めたことはないですけど、調子が悪くなってくるとどんどんファウル、ファウルになり、弱いあたりが多くなる。センターを打ちに行きますけど、思い切って引っ張ってサードライナー、三塁線で打つイメージで調整したり、ヘッドが下がると遅れちゃうので、ヘッドを立てるじゃないですけど、1回打つようなイメージでやっています」とのことだ。
練習試合でも4試合に出場して打率.429(7-3)とバットでアピールしている。打つことに関して「去年以上にしっかり打てるようにしたい」と意気込み、レギュラーで出場するために必要なことについて「もちろん守備は基本だと思うんですけど、打たないと出られない。本当に打つしかないと思います」と気合十分。
今季は藤岡裕大がセカンドにコンバートされ、ショートのポジションで友杉篤輝、小川龍成らとレギュラーを争うことになるが、本人は「そんなにこだわりは。出られればどこでも」と変わらず、試合に出られるのであれば、ポジションにこだわりはない。
「去年よりはいい結果を残せるように頑張って、成長できるようにやっていきたい」。昨年の経験を活かし、今季は昨季以上に打って、チームの勝利に貢献してみせる。
取材・文=岩下雄太