打てる捕手として期待
「全てにおいて、勝てるようにしたい」。
2年連続で捕手としてチーム最多出場を果たしたロッテ・佐藤都志也はプロ5年目の今季こそ、“正捕手”の座を掴むつもりだ。
“打てる捕手”として期待されている佐藤は、昨季は8月に月間打率.333をマークしたが、好不調の波が大きく、打率.218、4本塁打22打点の成績だった。好不調の波があった原因に「僕の性格の問題と思います」とし、シーズン終了後に行われた秋季練習では「新たな試みもありますし、ずっと停滞していてもこれ以上求めなければいけないところがある。それはもっと自分の中でこの時期は、研究して自分に良いのか悪いのか、どういう影響が出るのかぐらいはわかるので、追求していきたい」と話していた。
一冬を越えて、2月の石垣島春季キャンプでは「今(石垣島春季キャンプ期間)は村田さんと一緒に取り組みながらやっている。それが良いインパクトの強さになっているんじゃないかなと思います」と手応えを掴んでいるようだ。2月8日に行われたライブBPでは育成・永島田輝斗との対戦の際に、いつもよりすり足気味で打っていたが、「クイックで投げてきたので、タイミングに負けないようにと色々。あれは実戦の中でああいう風な形になったという感じです」と教えてくれた。
2月13日に対外試合が始まってからは18日のDeNAとの練習試合で1安打2打点、23日の楽天との練習試合から27日のソフトバンク戦にかけて3試合連続安打、23日の楽天戦、25日の韓国ロッテ戦では打点を挙げるなど、ここまで打率.286(14-4)、4打点をマークする。
「打てれば一番良いと思うので、打てるように頑張ります」。
「問題なくできています」
守りでは武器の一つが“盗塁阻止率”の高さだ。22年にリーグトップの盗塁阻止率.361を記録し、昨季も4月25日終了時点で盗塁阻止率は驚異の.833を記録。5月に入ってからも盗塁阻止率は.857、.875と上昇していき、前半戦終了時点での盗塁阻止率はリーグトップの.579。
オールスター明けは盗塁がなかなか刺せなくなり8月6日の楽天戦後には盗塁阻止率.400となり2位に後退し、最終的にはリーグ4位の盗塁阻止率.319でフィニッシュした。昨季終了後に後半盗塁が刺せなかったことについて訊くと、佐藤は「前半戦の感覚がちょっと落ちた。怪我で出来なくなってしまったりとか、感覚がずれて戻すのがあったりしました」と告白した。
改めて春季キャンプ中について訊くと、「今は万全なので問題なくできています」と力強く話しており、今季は昨季前半までのような高い盗塁阻止率に期待したいところだ。
「僕が出て優勝できるように。一番やらなきゃいけないなと思っているので、軸になってやっていきたい」。今季は攻守に躍動の1年にする。
取材・文=岩下雄太