好不調の波をなくすために
「1年間試合に出続けて、ハイレベルなところで成績を残して頑張っていけたらなと思っています」。
ロッテの安田尚憲は、今季こそ好成績を残すつもりだ。
安田は昨季自身初のオールスター出場、20年以来3年ぶりに規定打席に到達したものの、打率.238、9本塁打、43打点だった。一軍に定着してから課題のひとつに挙げられるのが、好不調の波が大きいこと。
昨季は5月終了時点で打率.282、5本塁打、17打点と、開幕から2ヶ月大きな好不調の波がなく過ごし、6月に月間打率.194と落ち込んだものの、7月は月間打率.273と復調。22年はオールスター明けは打率.283、7本塁打、32打点と打っていたこともあり、昨季も後半戦の活躍に期待がかかった中で、8月(.153)、9月(.184)の月間打率は1割台だった。シーズン終了後の取材で、「8月くらいから調子を崩してそこからなかなか自分のスイング、メンタル的にもブレがあって調子を落として、8月、9月は勿体無いシーズンだった。そこを乗り切れるようにというのは今の課題です」と反省。
昨季終了後、安定した打撃をするために必要なことについて「体の強さももちろんそうですけど、メンタルの強さ、メンタル的な切り替えの速さ、数字に左右されないというか、打率とかそういったところで左右されないメンタルのトレーニング、この1、2年ずっとやっているところではあるんですけど、そこでの切り替え方をうまくできたらなと思います」と分析した。
そして今季好不調の波を小さくするため、「アナリストの方とたくさん話をしながら、データ的なところも頭に入れてやっていきたいと思います」と、新たに“データ”を有効に活用していく考えだ。
ポジション争い
今季は安田が主戦場とする三塁には、昨季二塁でゴールデングラブ賞を受賞し、長年マリーンズのチームリーダーとして引っ張ってきた中村奨吾が三塁にコンバート。さらに新人の上田希由翔もおり、競争が熾烈だ。安田は練習試合では本職の三塁だけでなく、一塁でも出場する。
レギュラー争いについて「まずは自分のできるところをしっかりやって競争に勝っていけるように頑張っていきたい」と意気込む。ここまで対外試合は14試合に出場して、打率.282(39-11)、1本塁打、6打点だ。シーズン開幕まで1カ月を切った。5日からオープン戦が始まり、より結果が求められてくる。
マリーンズファンに向けて「勝負強いところで打てるように、そういったところを見てもらえたらなと思います」と“勝負強い打撃”を披露するつもりだ。プロ7年目の今季こそ、不動のレギュラーと呼べる存在になりたい。
取材・文=岩下雄太