「僕は千葉ロッテマリーンズに勝つために帰ってきた」。
ロッテの澤村拓一が、23年1月28日の復帰会見で語ったこの言葉。2025年までに常勝軍団を目指すチームにおいて、“勝利への強い執念”を持った選手が帰ってきたことは非常に大きかった。
昨季ブルペンを担当していた小野晋吾投手コーチは、昨年取材した時に「ベテラン2人、澤村と益田がいい声がけ、若い選手たちも多いのでいい声がけをしてくれていい雰囲気を作ってくれている」と感謝した。
ロッテは昨季開幕3連敗スタートも、シーズン序盤首位を走るなど、前半戦を首位と3.5ゲーム差の2位で折り返す。7月24日、29日終了時点には今季最大の『13』となったが、8、9月の失速で一時借金生活に陥るなど、最終的には貯金「2」。リーグ3連覇したオリックスとのゲーム差は「15.5」だったが、試合前までに3位だったロッテが10月10日のシーズン最終戦となった楽天戦に勝利し2位に入り底力を見せた。
ロッテは20年以降、2位、2位、5位、2位と直近4年間で3度リーグ2位となり、21年は優勝マジックを点灯しながらもリーグ優勝を逃し、20年、23年も最終的にリーグ優勝した球団と10ゲーム差以上開いたが、20年は10月9日のソフトバンク戦後に首位・ソフトバンクとゲーム差なしとするも10月10日以降に失速、昨季もオールスター明けまで優勝を狙える位置につけていた。ここ数年のマリーンズはチームとしての好不調の波が大きくなるのが課題のひとつとなっている。
澤村は選手ではあるが、チームを引っ張る中心選手の1人として、選手目線から見て、リーグ優勝するために必要なことはどう考えているのだろうかーー。
「チームが優勝するために必要なこと、う〜ん」と少し考えた後、「自分の言動に責任を持つこと」と答えた。
その理由について訊くと、「(少し考えたあと)良いか悪いかは別にして、人任せにする人が多い」と教えてくれた。
“人任せにする選手”というのは若手に多いのだろうかーー。
「全員です」と話した後すぐに、「自分も含めて気をつけないといけないなと思います」と続けた。「自分もそういうふうに言っていますけど、半端者だし、やらなくちゃいけないことはたくさんあるはず。ただ、他人任せにしないです。“誰かが声を出すだろう”、“そこのゴミを誰かが拾うだろう”という考え方は一切捨てた方がいいです」。
責任を持ってやる選手が1人でも増えた方がいいのだろうかーー。
「はい、たとえば共有スペースを綺麗に使うとか、当たり前の話。そういう当たり前のことができないようでは、野球をやる前に社会人としてベストじゃないなと思います」。
澤村自身、後輩に注意とかしたりするのか問うと、「やる人は(言われなくても)やりますよ。促してもやらない人はやらない。自分のロッカーも綺麗ですし、僕は率先して自分で掃除しますよ」と語った。
澤村の投球面に目を向けると、石垣島の春季キャンプ、2月の練習試合期間中は「タイミングを探しながら投げていたので、試行錯誤している時期と、タイミングさえ合えば、力を集めたものを出せる。そこのポイントをキャンプ中に探していましたね」と、二段モーション気味のフォームで投げ、3月8日のソフトバンク戦以降は走者がいない場面でも二段モーション気味のフォームではなくなっていた。
これまでは力強いストレートとスプリットを中心に打者をねじ伏せていたが、今年のオープン戦ではカウント球に「幅を広げたいからです」とカーブを投げたり、スライダーもカウント球だけでなく、追い込んでから縦変化に落ちるスライダーを投げたりしている。ちなみにスライダーが横変化、縦変化に見える違いについては「腕の振りが違うからじゃないですかね」と教えてくれた。
今季に向けては「まずは健康であること」と澤村。マリーンズは1974年以来50年勝率1位でのリーグ優勝がない。勝率1位でリーグ優勝するためにも澤村の熱い投球、チームを鼓舞する姿勢は必要だ。今季こそリーグ優勝するため、背番号『11』は腕を振っていく。
取材・文=岩下雄太
ロッテの澤村拓一が、23年1月28日の復帰会見で語ったこの言葉。2025年までに常勝軍団を目指すチームにおいて、“勝利への強い執念”を持った選手が帰ってきたことは非常に大きかった。
昨季ブルペンを担当していた小野晋吾投手コーチは、昨年取材した時に「ベテラン2人、澤村と益田がいい声がけ、若い選手たちも多いのでいい声がけをしてくれていい雰囲気を作ってくれている」と感謝した。
ロッテは昨季開幕3連敗スタートも、シーズン序盤首位を走るなど、前半戦を首位と3.5ゲーム差の2位で折り返す。7月24日、29日終了時点には今季最大の『13』となったが、8、9月の失速で一時借金生活に陥るなど、最終的には貯金「2」。リーグ3連覇したオリックスとのゲーム差は「15.5」だったが、試合前までに3位だったロッテが10月10日のシーズン最終戦となった楽天戦に勝利し2位に入り底力を見せた。
ロッテは20年以降、2位、2位、5位、2位と直近4年間で3度リーグ2位となり、21年は優勝マジックを点灯しながらもリーグ優勝を逃し、20年、23年も最終的にリーグ優勝した球団と10ゲーム差以上開いたが、20年は10月9日のソフトバンク戦後に首位・ソフトバンクとゲーム差なしとするも10月10日以降に失速、昨季もオールスター明けまで優勝を狙える位置につけていた。ここ数年のマリーンズはチームとしての好不調の波が大きくなるのが課題のひとつとなっている。
澤村は選手ではあるが、チームを引っ張る中心選手の1人として、選手目線から見て、リーグ優勝するために必要なことはどう考えているのだろうかーー。
「チームが優勝するために必要なこと、う〜ん」と少し考えた後、「自分の言動に責任を持つこと」と答えた。
その理由について訊くと、「(少し考えたあと)良いか悪いかは別にして、人任せにする人が多い」と教えてくれた。
“人任せにする選手”というのは若手に多いのだろうかーー。
「全員です」と話した後すぐに、「自分も含めて気をつけないといけないなと思います」と続けた。「自分もそういうふうに言っていますけど、半端者だし、やらなくちゃいけないことはたくさんあるはず。ただ、他人任せにしないです。“誰かが声を出すだろう”、“そこのゴミを誰かが拾うだろう”という考え方は一切捨てた方がいいです」。
責任を持ってやる選手が1人でも増えた方がいいのだろうかーー。
「はい、たとえば共有スペースを綺麗に使うとか、当たり前の話。そういう当たり前のことができないようでは、野球をやる前に社会人としてベストじゃないなと思います」。
澤村自身、後輩に注意とかしたりするのか問うと、「やる人は(言われなくても)やりますよ。促してもやらない人はやらない。自分のロッカーも綺麗ですし、僕は率先して自分で掃除しますよ」と語った。
今季に向けて「まずは健康であること」
澤村の投球面に目を向けると、石垣島の春季キャンプ、2月の練習試合期間中は「タイミングを探しながら投げていたので、試行錯誤している時期と、タイミングさえ合えば、力を集めたものを出せる。そこのポイントをキャンプ中に探していましたね」と、二段モーション気味のフォームで投げ、3月8日のソフトバンク戦以降は走者がいない場面でも二段モーション気味のフォームではなくなっていた。
これまでは力強いストレートとスプリットを中心に打者をねじ伏せていたが、今年のオープン戦ではカウント球に「幅を広げたいからです」とカーブを投げたり、スライダーもカウント球だけでなく、追い込んでから縦変化に落ちるスライダーを投げたりしている。ちなみにスライダーが横変化、縦変化に見える違いについては「腕の振りが違うからじゃないですかね」と教えてくれた。
今季に向けては「まずは健康であること」と澤村。マリーンズは1974年以来50年勝率1位でのリーグ優勝がない。勝率1位でリーグ優勝するためにも澤村の熱い投球、チームを鼓舞する姿勢は必要だ。今季こそリーグ優勝するため、背番号『11』は腕を振っていく。
取材・文=岩下雄太