初本塁打は「勇気とラッキーの両方」
阪神は31日、敵地での巨人戦に5-0で勝利。両先発の好投で投手戦となったものの、終盤に本塁打が2発飛び出して今季初勝利を飾った。
0-0で迎えた8回、巨人のセットアッパー・中川皓太から連打で二死一・三塁のチャンスを作ると、打席には開幕から無安打が続いていた森下翔太が向かう。
相手先発のサブマリン・中川礼に全打席凡退に抑え込まれていたが、この試合初めて生まれた得点機で初球から積極的にスイングすると、打球は大きな弧を描きながら左中間最前列へ。後に「個人的にそこまで状態は悪くなかった」と振り返った一打は、今季初となる待望の先制点をもたらした。
その後勢いがついた阪神打線は9回にも本塁打などで着実に加点し、裏を絶対的守護神の岩崎優が三者凡退で締めてゲームセット。ヒーローインタビューで森下は「自分たちは連覇に向かって行くだけだと思っているので、まだまだここから勝っていきたいなと思います」と殊勝なコメントを残した。
同日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した仁志敏久氏は「同じ右バッターとして考えるとヒットが出てないとここは積極的に行きたくなるところなんですけど、アンダースローなので積極的に行きづらいんですよね」とこの日の森下について解説。
現役通算1591安打を放ったレジェンドとして打者心理を語りながら、続けて本塁打の打席を「初球から行ったんですけど、中に入ってくるボールだったら難しかった。ちょっと外にはずれそうな球を上手く振った。“初球から行ってやろう”と思う気持ちと打てるボールがちょうど来たという、勇気とラッキーの両方が訪れた一発でしたね」と称えた。
昨季王者ながら開幕26イニング目で初得点と少々不安になるような負け方をしていた阪神だが、勝負強い若武者が暗雲を振り払ってくれた。今後について仁志氏は最後に「これでもうチームは変わると思いますね」と期待を語って締めくくった。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』