「あえて清宮を持ってきたっていうところが新庄監督の凄さ」
日本ハムが阪神にサヨナラ負け。延長戦までもつれ込んだ一戦だったが、惜しくも勝ち星ゲットとはいかなかった。しかし交流戦最後のゲームで新庄監督が指名したドラ1位左腕の細野晴希の快投を、2位の女房役・進藤勇也がアシスト。ルーキーバッテリーがデビュー戦で躍動する中、2017年のドラフト1位もしっかりと甲子園で爪痕を残した。
0-1で迎えた日本ハムのラッキーセブン。一死から5番の万波中正がセンター前ヒットで出塁し、送りバントで二死からスコアリングポジションへランナーを進めると、新庄監督は代打に清宮幸太郎を指名。すると桐敷拓馬の投じた初球のスライダーをライト運び、試合を振り出しに戻すことに成功した。
この代打策に対し、18日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』でMCを務めた高木豊氏は「ここでちょっとびっくりしたのは、ベンチには野村(佑希)もレイエスと右も残ってるんですよ。そして田宮(裕涼)も残ってるんですよ。でも、あえて清宮を持ってきたっていうところが新庄監督の凄さだと思う」とあえて左をぶつけた決断に脱帽。解説を務めた大矢明彦氏も「清宮が出てくる前にバントでツーアウトセカンド作ったじゃないですか。あれでおそらく次はもう清宮でって決めてたはずなんでね。その流れをしっかり自分の中で作ってた監督はすごいなと思います。普通左は出さないですもん」と高木氏同様に感心した。
もう一人の解説者・五十嵐亮太氏も「代打で清宮を出した理由ですよね。データで言えば右より左の方が率はいいんですよ。とはいえ、打席数はそんなに多くないので、その率を重要視して代打に出したかと言ったら、なかなか難しいと思うんですね」と分析。続けて「じゃあ他何があるのかと言ったら。新庄さんが、例えばピッチャーに対して合いそうだな、スイングが合いそうだなってところ。もしくは、勘もあるんですよ。なんかこの状況で清宮は打てそうだなっていう、なんかいい想像が広がってたっていう可能性もあるので、なんか新庄監督らしいなと。だからこそ今この位置にいるので、色々ハマってるという意味で言うと、それなのかなっていう風に思います」と2つの仮説を立てつつ、監督の采配を称えた。
独特の感性でチームをまとめ上げる新庄監督。交流戦は9位で終えたが、得たモノをリーグ戦で花開かせていきそうだ。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』