「開幕してから何もしていない。怪我もありましたし、スーッと流れたかなという感じです」。
開幕から交流戦を終えてここまでをこのように振り返ったのはロッテ・田村龍弘だ。今季は開幕直後、西野勇士、種市篤暉、C.C.メルセデスが先発の時にマスクを被り、チーム15戦負けなしのスタートとなった5月14日のオリックス戦で先発・西野を5回1失点(降雨コールド)で完投勝利に導いたが、5月21日に故障により一軍登録を抹消。「(佐藤)都志也が出てずっと勝っていたし、すごいなと思って僕はみていましたけどね」と、田村が離脱している間にチームの連勝は伸びていき、引き分けを挟んで11連勝した。
6月5日に再昇格してからは西野、12日のDeNA戦で今季初先発を果たした中森俊介の時に先発出場している。
現状は佐藤都志也がメインで出場している形になっているが、佐藤は「田村さんにも言われたことで、“序盤に先制されようが、同点に追いつかれようが、まだ6回くらいあるのに終盤みたいな配球してどうするんだ”と言われたりもしたので、言われている意味がなんとなくわかってきた気がします」と話せば、西野も「僕が(配球を)考えると言うよりは、ほとんどキャッチャーが考えてくれています。ある程度イメージだけ持ってマウンドに上がっています」と、佐藤、西野だけでなく田村を信頼する選手は多い。
田村は現状の自身の役割についてどう考えているのだろうかーー。
「(佐藤)都志也がメインで出ていて、僕が西野さんとか中森とかと組ませてもらっていますけど、もちろんレギュラーは佐藤なので、与えられたところでしっかりと仕事をすることだけを考えています」。
先発出場していなくても、ベンチで小島和哉をはじめ、投手たちに声をかけている場面が多く見られる。
「彼らが聞いてくるだけで、試合に出ている時と試合に出ていない時というのは、バッターの見え方が違いますし、オジ(小島和哉)が投げていて見えているバッターの見え方と、僕がベンチで見ていてのバッターの見え方というのは違うところがあると思うので、そういうところで“どうでした?”と、(佐々木)朗希、オジとか、俺はこう見えたよと言うくらいですね。こうした方がいいんじゃないの、というのは言わないですけど、こういうふうに見えたねとかの話ですね」。
試合前練習を見ていても、投手陣に限らず、常に全体を見渡して、若い選手たちに声をかけているように見える。そう言った部分は意識してやっているのだろうかーー。
「あんまり意識していないですけど、なんですかね、見るというか、結構ピッチャーが相談してくるというか、話をしてくれるので、余計に見るようにしていますね。言われた時に答えられるように。僕が正解じゃないですけど、俺はこういうふうに思うとか、そういうのはよく話しますね」。
ここ最近は佐藤がメインで出場しているが、この先、田村の経験値、存在が必要になる時期が必ずやってくるはずだ。
「もちろんそれは与えられたところでしっかり仕事をすることと、(佐藤)都志也がレギュラーとして頑張っているので、出ない時はしっかり余裕を持って休んでもらえるように僕が頑張ればいいと思うし、そこをサポートするのは当たり前。一番は一緒にいるキャッチャーが2人しかいないので、そこでたまには休ませてあげないと。僕も全試合に出たことがあるから、本当にしんどいというのはわかっている。(佐藤)都志也もずっと“しんどい、しんどい”と言っていたので、なんとかそこでカバーしてあげるというか、手助けしてあげられたらいいなと思います」。
もちろん、田村自身もレギュラーでの出場を諦めたわけではない。
「野球している以上はレギュラーとして出たいとか、試合に出たい気持ちはもちろんあります。それ以上に今の自分の立場とかを考えた時にやっぱり少ないチャンスで少ないプレー機会でしっかり結果を出さないといけない立場にいる。下にはキャッチャーがいますし、そういう子たちにも示しがつかない。出た試合でしっかり結果を出して、“もうちょっと田村の出場機会を増やそうか”と思わせないといけない。だからこそやるべきことをしっかりやって、しっかり準備して、パッと出るぞと言われた時に今は結果が出ていないんですけど、これから出していかないといけないと思う。そこだけですかね」。
6月21日からリーグ戦が再開し、敵地で首位・ソフトバンクとの3連戦。現在首位・ソフトバンクに9ゲーム差の2位と大きく離されている。「与えられた場所で自分のやるべきことをしっかりやって、みんなそうだと思うんですけど、できないことはできない、やれることしかないんで。それを本当に試合で出すしかないと思う。少ないゲーム、少ないチャンスでしっかりモノにできるようにしたいなというのはありますね」。ロッテでリーグ優勝するために田村は昨オフFA権を行使して残留した。田村がマスクを被った時には1試合でも多くチームを勝利に導き、佐藤と共に投手陣を引っ張り、今年こそ歓喜の秋を迎えたいところだ。田村の復調、力がまだまだ必要だ。
取材・文=岩下雄太
開幕から交流戦を終えてここまでをこのように振り返ったのはロッテ・田村龍弘だ。今季は開幕直後、西野勇士、種市篤暉、C.C.メルセデスが先発の時にマスクを被り、チーム15戦負けなしのスタートとなった5月14日のオリックス戦で先発・西野を5回1失点(降雨コールド)で完投勝利に導いたが、5月21日に故障により一軍登録を抹消。「(佐藤)都志也が出てずっと勝っていたし、すごいなと思って僕はみていましたけどね」と、田村が離脱している間にチームの連勝は伸びていき、引き分けを挟んで11連勝した。
6月5日に再昇格してからは西野、12日のDeNA戦で今季初先発を果たした中森俊介の時に先発出場している。
現状は佐藤都志也がメインで出場している形になっているが、佐藤は「田村さんにも言われたことで、“序盤に先制されようが、同点に追いつかれようが、まだ6回くらいあるのに終盤みたいな配球してどうするんだ”と言われたりもしたので、言われている意味がなんとなくわかってきた気がします」と話せば、西野も「僕が(配球を)考えると言うよりは、ほとんどキャッチャーが考えてくれています。ある程度イメージだけ持ってマウンドに上がっています」と、佐藤、西野だけでなく田村を信頼する選手は多い。
田村は現状の自身の役割についてどう考えているのだろうかーー。
「(佐藤)都志也がメインで出ていて、僕が西野さんとか中森とかと組ませてもらっていますけど、もちろんレギュラーは佐藤なので、与えられたところでしっかりと仕事をすることだけを考えています」。
先発出場していなくても、ベンチで小島和哉をはじめ、投手たちに声をかけている場面が多く見られる。
「彼らが聞いてくるだけで、試合に出ている時と試合に出ていない時というのは、バッターの見え方が違いますし、オジ(小島和哉)が投げていて見えているバッターの見え方と、僕がベンチで見ていてのバッターの見え方というのは違うところがあると思うので、そういうところで“どうでした?”と、(佐々木)朗希、オジとか、俺はこう見えたよと言うくらいですね。こうした方がいいんじゃないの、というのは言わないですけど、こういうふうに見えたねとかの話ですね」。
試合前練習を見ていても、投手陣に限らず、常に全体を見渡して、若い選手たちに声をかけているように見える。そう言った部分は意識してやっているのだろうかーー。
「あんまり意識していないですけど、なんですかね、見るというか、結構ピッチャーが相談してくるというか、話をしてくれるので、余計に見るようにしていますね。言われた時に答えられるように。僕が正解じゃないですけど、俺はこういうふうに思うとか、そういうのはよく話しますね」。
ここ最近は佐藤がメインで出場しているが、この先、田村の経験値、存在が必要になる時期が必ずやってくるはずだ。
「もちろんそれは与えられたところでしっかり仕事をすることと、(佐藤)都志也がレギュラーとして頑張っているので、出ない時はしっかり余裕を持って休んでもらえるように僕が頑張ればいいと思うし、そこをサポートするのは当たり前。一番は一緒にいるキャッチャーが2人しかいないので、そこでたまには休ませてあげないと。僕も全試合に出たことがあるから、本当にしんどいというのはわかっている。(佐藤)都志也もずっと“しんどい、しんどい”と言っていたので、なんとかそこでカバーしてあげるというか、手助けしてあげられたらいいなと思います」。
もちろん、田村自身もレギュラーでの出場を諦めたわけではない。
「野球している以上はレギュラーとして出たいとか、試合に出たい気持ちはもちろんあります。それ以上に今の自分の立場とかを考えた時にやっぱり少ないチャンスで少ないプレー機会でしっかり結果を出さないといけない立場にいる。下にはキャッチャーがいますし、そういう子たちにも示しがつかない。出た試合でしっかり結果を出して、“もうちょっと田村の出場機会を増やそうか”と思わせないといけない。だからこそやるべきことをしっかりやって、しっかり準備して、パッと出るぞと言われた時に今は結果が出ていないんですけど、これから出していかないといけないと思う。そこだけですかね」。
6月21日からリーグ戦が再開し、敵地で首位・ソフトバンクとの3連戦。現在首位・ソフトバンクに9ゲーム差の2位と大きく離されている。「与えられた場所で自分のやるべきことをしっかりやって、みんなそうだと思うんですけど、できないことはできない、やれることしかないんで。それを本当に試合で出すしかないと思う。少ないゲーム、少ないチャンスでしっかりモノにできるようにしたいなというのはありますね」。ロッテでリーグ優勝するために田村は昨オフFA権を行使して残留した。田村がマスクを被った時には1試合でも多くチームを勝利に導き、佐藤と共に投手陣を引っ張り、今年こそ歓喜の秋を迎えたいところだ。田村の復調、力がまだまだ必要だ。
取材・文=岩下雄太