ロッテの小川龍成はすでにシーズン自己最多の94試合、53安打、18打点、16犠打、6盗塁とあらゆる打撃部門の成績でキャリアハイの数字を残し、16日には7月度の「スカパー!サヨナラ賞」を受賞するなど、大きな飛躍を遂げるシーズンとなっている。
昨季までは代走・守備固めがメインで、打撃を課題にしていた。その課題を克服すべく、昨年の秋季練習から逆方向にライナーを打つ感覚を身につけるため徹底的に振り込んだ。シーズンオフの自主トレでも「打球の高さをとにかくライナーを打てるようにというのと、スイングスピードを速くして強いライナーを打てるように意識してやっていました」と秋季練習で取り組んできたことを継続。
一冬を越えて石垣島春季キャンプでは、「個人練習で常に三遊間のライナーを打てるようにという練習はしています。感覚はちょっとずつ出ていますけど、100%と、というか、確実性はまだないので、そこを求めてやっています」と、全体練習後にマシンを相手にひたすら反対方向に打った。
小川は「バッティングで今やっている三遊間に強いライナーがピッチャーの球でも打てれば、ヒットになったり内野安打が増えたりして、打率とかも上がってくると思う。粘り強さは継続してやっていきたい。それと、追い込まれてから粘って去年は粘って三振してしまったので、そこで四球が取れたり、なんとかいいところに転がして内野安打が取れたりとか、ヒットになればいいですけど、四球が取れたりすることが一番良いと思う。粘って結果出塁できる、そこまで求めていきたい」とオープン戦の打率こそ.208だったが、2月の練習試合では追い込まれてから三塁線を破る二塁打を放ったり、3月5日のDeNAとのオープン戦でも左の石川達也に対して粘りに粘って3ボール2ストライクから11球目に押し出し四球を選んだり取り組んできたことを徐々に形として現れるようになってきた。
シーズンが開幕してからは4月14日の楽天で、「その2本は自分の理想とした打席ができたと思うので、それを続けられればと思います」と、5-1の3回二死三塁の第2打席、藤井聖が2ボール2ストライクから投じた5球目の外角143キロストレートを逆らわずレフト前に適時打を放てば、8-2の9回一死一、二塁の第5打席、清宮虎太朗が2ボール2ストライクから投じた5球目のインコースよりの152キロストレートをレフト前に安打と、2安打ともこれまで取り組んできた形だった。
小川の存在感を高めたのが、5月14のオリックス戦から6月1日の阪神戦にかけてチームが15試合連続負けなしだった期間。その間の打率は.319。5月26日のソフトバンク戦から5月31日の阪神戦にかけて5試合連続マルチ安打、5月31日の阪神戦では6打席全て出塁し、4-4の10回二死満塁の第6打席、押し出し四球を選び、チームはサヨナラ勝ちした。
6月は「ちょっと打ち出してから、もっと打ちたいとか、ヒットを求める気持ちが大きくなってしまった」と月間打率.163と大きく数字を落とした。「もう1回改めて自分のできることをしっかりやろうとコーチの方とも話し合って、そこの意識を変えた結果がいい方向につながったかなと思います」と原点に立ち返り、7月は月間打率.386。
8月に入り月間打率.121と調子を落としているが、昨年秋から取り組んできたことが形になってきている。
「練習でやっている形が試合に結果として出たのが自信になっているかなと思います」。
昨年の秋季練習では、徹底して反対方向に打っていた。あの時期はどんな気持ちで練習していたのだろうかーー。
「目的意識を持って練習に取り組んで試合でこういったヒットが出る、セーフティもそうですけど、イメージしながら、試合で結果が出るようにイメージしてやるようにしていました」。
反対方向への意識で言えば、昨季のシーズン中も反対方向への意識は持っていた。昨年と今年では何が変わったのだろうかーー。
「去年に比べて今年の方がより意識して練習の量も増やしましたし、結果的に結果に結びついているのかなとすごく思う。練習量が増えたり、より意識が高まった結果が今は出ているのかなと思います」。
昨年の秋季練習では様々な打撃フォームで打っていた。「もちろん今まで通りのバッティングフォームであったり、同じ感覚でやっていたら、いつまで経っても成長はないと思っていたので、より成長できるように覚悟を持ってというか、今までの感覚だけじゃ今までと同じ成績しか出ない。何かを変えないと、と思って練習に取り組んだ結果、今の形になったのかなと思います」。
試合前練習ではいつも欠かさず行ってきたセーフティバントで、7月30日の西武戦ではサヨナラ打を放ち、「スカパー!サヨナラ賞」を受賞した。
「バントの方はすごく自信がないところだったので、1年目から毎日毎日上手くなるように練習していましたし、こういった大事な場面でいい形として結果が出て、自信にもなりましたし、毎日練習していて良かったなと思います」。
今季は飛躍のシーズンとなっている小川。8月に入り打撃の状態が下降気味だが、6月も苦戦したものの、7月に復調した。「今まで通り自分のやるべきことだったり、自分の求めていること、長所を生かしていかれたらなと思います」。ここまではやってきたことが“結果”に表れている。シーズン最後まで駆け抜けたい。
取材・文=岩下雄太
昨季までは代走・守備固めがメインで、打撃を課題にしていた。その課題を克服すべく、昨年の秋季練習から逆方向にライナーを打つ感覚を身につけるため徹底的に振り込んだ。シーズンオフの自主トレでも「打球の高さをとにかくライナーを打てるようにというのと、スイングスピードを速くして強いライナーを打てるように意識してやっていました」と秋季練習で取り組んできたことを継続。
一冬を越えて石垣島春季キャンプでは、「個人練習で常に三遊間のライナーを打てるようにという練習はしています。感覚はちょっとずつ出ていますけど、100%と、というか、確実性はまだないので、そこを求めてやっています」と、全体練習後にマシンを相手にひたすら反対方向に打った。
小川は「バッティングで今やっている三遊間に強いライナーがピッチャーの球でも打てれば、ヒットになったり内野安打が増えたりして、打率とかも上がってくると思う。粘り強さは継続してやっていきたい。それと、追い込まれてから粘って去年は粘って三振してしまったので、そこで四球が取れたり、なんとかいいところに転がして内野安打が取れたりとか、ヒットになればいいですけど、四球が取れたりすることが一番良いと思う。粘って結果出塁できる、そこまで求めていきたい」とオープン戦の打率こそ.208だったが、2月の練習試合では追い込まれてから三塁線を破る二塁打を放ったり、3月5日のDeNAとのオープン戦でも左の石川達也に対して粘りに粘って3ボール2ストライクから11球目に押し出し四球を選んだり取り組んできたことを徐々に形として現れるようになってきた。
シーズンが開幕してからは4月14日の楽天で、「その2本は自分の理想とした打席ができたと思うので、それを続けられればと思います」と、5-1の3回二死三塁の第2打席、藤井聖が2ボール2ストライクから投じた5球目の外角143キロストレートを逆らわずレフト前に適時打を放てば、8-2の9回一死一、二塁の第5打席、清宮虎太朗が2ボール2ストライクから投じた5球目のインコースよりの152キロストレートをレフト前に安打と、2安打ともこれまで取り組んできた形だった。
小川の存在感を高めたのが、5月14のオリックス戦から6月1日の阪神戦にかけてチームが15試合連続負けなしだった期間。その間の打率は.319。5月26日のソフトバンク戦から5月31日の阪神戦にかけて5試合連続マルチ安打、5月31日の阪神戦では6打席全て出塁し、4-4の10回二死満塁の第6打席、押し出し四球を選び、チームはサヨナラ勝ちした。
6月は「ちょっと打ち出してから、もっと打ちたいとか、ヒットを求める気持ちが大きくなってしまった」と月間打率.163と大きく数字を落とした。「もう1回改めて自分のできることをしっかりやろうとコーチの方とも話し合って、そこの意識を変えた結果がいい方向につながったかなと思います」と原点に立ち返り、7月は月間打率.386。
8月に入り月間打率.121と調子を落としているが、昨年秋から取り組んできたことが形になってきている。
「練習でやっている形が試合に結果として出たのが自信になっているかなと思います」。
昨年の秋季練習では、徹底して反対方向に打っていた。あの時期はどんな気持ちで練習していたのだろうかーー。
「目的意識を持って練習に取り組んで試合でこういったヒットが出る、セーフティもそうですけど、イメージしながら、試合で結果が出るようにイメージしてやるようにしていました」。
反対方向への意識で言えば、昨季のシーズン中も反対方向への意識は持っていた。昨年と今年では何が変わったのだろうかーー。
「去年に比べて今年の方がより意識して練習の量も増やしましたし、結果的に結果に結びついているのかなとすごく思う。練習量が増えたり、より意識が高まった結果が今は出ているのかなと思います」。
昨年の秋季練習では様々な打撃フォームで打っていた。「もちろん今まで通りのバッティングフォームであったり、同じ感覚でやっていたら、いつまで経っても成長はないと思っていたので、より成長できるように覚悟を持ってというか、今までの感覚だけじゃ今までと同じ成績しか出ない。何かを変えないと、と思って練習に取り組んだ結果、今の形になったのかなと思います」。
試合前練習ではいつも欠かさず行ってきたセーフティバントで、7月30日の西武戦ではサヨナラ打を放ち、「スカパー!サヨナラ賞」を受賞した。
「バントの方はすごく自信がないところだったので、1年目から毎日毎日上手くなるように練習していましたし、こういった大事な場面でいい形として結果が出て、自信にもなりましたし、毎日練習していて良かったなと思います」。
今季は飛躍のシーズンとなっている小川。8月に入り打撃の状態が下降気味だが、6月も苦戦したものの、7月に復調した。「今まで通り自分のやるべきことだったり、自分の求めていること、長所を生かしていかれたらなと思います」。ここまではやってきたことが“結果”に表れている。シーズン最後まで駆け抜けたい。
取材・文=岩下雄太